Forum 168
10月27日(日) in 本郷
笑顔学の基礎と実践
～失敗する・失敗しない笑顔の科学～
ご報告
日 時 10月27日(日)、13:30-17:00
場 所 東京大学本郷キャンパス、工学部2号館新館3階 31-A 室
資料代 一般: 2,000円、失敗学会員・会員ゲスト: 1,000円
参加者 浅井香葉,飯野謙次,本村和也,中尾政之
中尾英和,佐々正光,平和昭,平真寿美,八木基紀
(会員9名,ゲスト19名,一般2名,合計30名)
【記録】
13:30 笑顔学の基礎編：菅原(知見の紹介・理論中心)
15:00 休憩
15:15 笑顔学の実践編；牛山(エクササイズ中心)
16:20 質疑応答
17:00 終了
17:30 懇親会(場所未定、懇親会費は別途実費)
笑顔学の基礎編【菅原】
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笑顔学の実践編【牛山】
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笑顔学 × 失敗学
色づき始めた銀杏を秋雨がしっとりとつつむ日曜日の午後。東大工学部２号館に、綺麗処が次々と訪れた。教室は一気に華やぐ。常連の失敗学会メンバーに加えてお洒落なbarのマスターなど、この日はさまざまな参加者で会場に熱気があふれた。お目当ては、菅原徹講師の笑顔学(えがおがく)である。
笑顔学とはなにをする学問だろうか。それを知るには、菅原氏自身の多彩な活動を覗くのが一番だろう。講義は自己紹介から始まった。
菅原氏は現在、早稲田大学、東洋大学で招聘研究員、講師を務める傍ら、学生たちからたくさんの相談を受けている。株式会社MTGはじめ美容機器各社の技術顧問、都立産業技術センターや医療機関のアドバイザーとしても活躍している。最近では、綾瀬はるかが踊るグリコのCM「スキパニ体操」を監修した。一言でいえば、「世界に笑顔を広げる活動」か。
美しい笑顔、人をしあわせにする笑顔とは? 笑顔になると、顔に黄金比（1:1618）が現れる。黄金比は宇宙の星雲の渦巻き螺旋、はやぶさの滑空軌跡にも現れる、自然界の神秘である。
ところが悲しいかな、我々日本人はこの「ほんとうの笑顔」が苦手である。口は笑っていても目が笑っていない。本人は笑っているつもりが、歯を剥き出して威嚇しているように見える「笑顔」さえある。
これは、表情筋をうまく使えていないことが原因だ。菅原氏が考案した「ウンパニ体操」を毎日続ければ、誰でも表情筋が柔軟になり、かつ鍛えられて、自然で素敵なデュシェンヌ・スマイルになれる。
笑顔の効果はさまざまな場面にあらわれる。笑顔は怒り、悲嘆、怖れなど、どんな表情よりも視認性が高い。視力の弱い赤ちゃんは、日々、お母さんの笑顔から学びを得て脳を形成している。
また人間の心は、バーストラウマを出発点として、生きていくために認知脳という警戒システムを作り上げる。ワクワク・イキイキとしたポジティブ感情、イライラ・トゲトゲの攻撃的な感情、ウツウツ・ビクビクのネガティブ感情、どれも必要であり、誰もが多かれ少なかれこれらすべてを心の仕組みとして備えている。大切なのは、それを知ってセルフブランディングしていくことである。渋谷日向子選手は、シンデレラ・スマイルでギャラリーをとりこにし、ギャラリーの声援でまた自身のモチベーションを上げている。
あくびが伝染するように、笑顔も伝染する。人間には、ミラーニューロンという共感の神経細胞が備わっている。「あなたが笑うと、世界が変わる」（菅原氏監修グリコCM）のである。
さて、笑顔のサイエンスを学んだあとは、Let’s Try!
フェイスストレッチング協会 認定講師の牛山園子さんの登場である。ゆったりとBGMが流れる中、やわらかな牛山講師の声に導かれて表情筋を動かす。普段意識したことのない顔の筋肉はすっかり凝り固まっている。それでも楽しくレッスンした後には、心地よい疲れが残った。
たくさんの質疑応答のあと、会場を居酒屋に移して懇親会。菅原講師も牛山講師も気さくなお人柄、多彩なプロフィールを持つ面々が親し気に熱く語り合い、最後に記念撮影となった。
今日のフォーラムの成果、極上のスマイル・ショット。みんなの瞳に星が輝いた。
そう、笑顔学と失敗学は、兄弟なのだ。
【あさい】
