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第22回失敗学会年次大会 ご報告


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 失敗学会年次大会を以下要領で開催いたしました。

日時:2023年12月16日(土)、10:00-17:30
場所:東京大学工学部2号館 3階 31-A, B室
またはon the NET with Zoom



参加者(会場):浅井香葉,飯野謙次,宇於崎裕美,大木剛,大久保篤史
                   加藤由起子,加藤豊,鎌田寛人,川路明人,木田一郎,佐伯徹
                   高橋武文,田辺和光,中内洋,中尾政之,二平雄二,古川元晴
                   松井亮太,三国外喜男,森永龍文,吉岡律夫
       (zoom):綾部豊樹,小松仁,佐々木一仁,佐々正光,三田薫,滝島大介
                   田中健一郎,辻岡啓司,縄田俊之,畑村洋太郎,福田晃
                   渕上高義,松野昭弘,八木基紀,山岡修,山本幸利(五十音順)
    (一般参加,ゲスト):3名,合計40名

                    記録

10:00-10:20 失敗学会現状報告【飯野謙次】
10:20-11:20 意図検索エンジン【飯野謙次】
11:20-12:20 組織行動分科会発表【加藤豊・二平雄二・川路明人・田辺和光】
12:20-13:10 昼休み
13:10-14:10 大阪分科会発表【三国外喜男】
14:10-15:30 講演1【松井亮太】
15:30-15:50 休憩
15:50-16:50 講演2【山岡修】zoom
16:50-17:50 講演3【中尾政之】

 年次大会資料代:会員・会員ゲスト 4,000円、一般 8,000円
年次大会の様子

















意図検索エンジン
飯野謙次(いいの・けんじ)

 失敗知識データベースの基本的考え方は、識者が失敗事例について調査し、 失敗の直接原因、背景要因などを明らかにして解説し、その解説を人が 読んで理解し、同じような失敗を繰り返さないよう努めることを期待している。
 果たしてうまくいくのだろうか。
 失敗をする人は、その失敗の前には、失敗の原因や経過について まったく考えが及んでいない。あるのは「何をしよう」という意図だけである。
 この意図で失敗知識データベースを検索できたら、過去に同じ意図をもって 失敗をした人の実例が提示され、教訓とすることができる。
令和5年の分科会活動報告-組織行動分科会-
加藤豊(司会)、二平雄二、川路明人、田辺和光

 「2004年組織行動分科会発足以来、毎年継続してきました「組織行動の視点」からの安全推進活動への取り組み経過の延長として、2023年に取り組んできた、活動成果を具体的に手分けをしまして発表致します。
 今年の中心的話題は、幼稚園児の送迎バス置き去り死亡事故に注目しまして、「子供の安全」を取り上げました。全員参加型の分科会活動を目指していますので、加藤豊幹事長を中心に、分科会活動の経及び各担当者から、この一年間の調査・研究成果を要約して発表致します。
個別避難計画の地区での取り組み事例-大阪分科会-三国外喜男(みくに・ときお)

 令和3年5月に改正された災害対策基本法に基づき、避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組を紹介します。法律では、市町村が行う事務で、努力義務となっていますが、石川県白山市千代野地区では「個別避難計画」の作成に住民が自主的に取り組みを開始し、現在進行中であります。私が担当した町会は既に計画作成は終了しましたが、地区での事業の立ち上げから、避難計画の個別のマッチングまで関わり、その経過を発表します。事業が進行していくなかで、失敗学まんだらを時々確認しながら無事に完了となりました。
不合理な原子力の世界と安全の新しい形
松井亮太(まつい・りょうた)

 「1F事故前の安全神話」や「社会的問題」に関して原子力関係者のインタビュー調査を行ってきた。調査の結果、日本の原子力業界の不合理さに加えて、1F事故前から現在まで続いている本質的な問題として「原子力関係者と社会が無謬を求めること」が浮かび上がってきた。現状、原子力関係者が何らかの失敗をすると社会はそれを強く批判して是正しようとしている。しかし、安全を高めるために大切なのは、「あらゆる失敗を批判すること」ではなく、「小さな失敗を許すこと」だと考えられる。本発表では、調査結果をもとに行動科学(認知バイアスや人間心理)の視点から考察を述べる。
zoom
人のメンタリティーに挑戦する品質管理
(Quality Management)

山岡修(やまおか・おさむ)

 私は、かつて企業にて大トラブルを体験し、原因究明の研究を約30年間続けています。
  研究によりますと、再発を繰り返す社会問題の本質は、人間の性(さが)にあることが分かりました。再発は、見え難いメンタリティー面の追求を避け“トカゲのしっぽ切”で終結してきたためです。
 今回は、研究で得られた“問題を起こし難い考え方”である「経営のための品質管理心得帳」を紹介します。
 皆さんと共にメンタリティー面を議論できると幸いです。
今年は失敗学にChatGPTが登場
中尾政之(なかお・まさゆき)

 昨年11月にChatGPT3.5が登場したので、研究室ではそれを設計学や失敗学に試用してみた。
結構いける!逆に言えば、ますます違和感を抱くことが大切になった。
リスクに気付かなければ、ChatGPTを始めることもない。   


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