今回の大阪懇談会は、初めて工場見学を実現した。
第34回懇談会
(
)で
大阪懇談会を分科会としての運営を目指そうと合意してから、
すぐに実現した工場見学にみんな心躍らせながら、出迎えのシャトルバスに乗った。
30分ほどバスに揺られ、到着した滋賀事業所の広さには驚いた。
ゴルフ場27ホール分に相当するのだという。そして到着した日に新た館のロビーでは、
はるかかなたに受付があるようだった。ロビーの一角では、地元民芸品の販売も行われている。
なるほど余裕とはこういうものかと思った。『日に新た』の命名は、『今日の「われ」は
昨日の「われ」にあらず、明日の「われ」は今日の「われ」にとどまるべからず』
という社是からだと言う。
到着して小休憩の後、大西敏明、
日に新た館会長様から(株)ダイフクの紹介があった。創業は1937年のことになる。そして24時間、
365日のサポートセンターを持つ同社は、最近の景気回復、各社の設備投資気運により、
大変忙しいのだという。続いて見学案内担当、前田さんによるビデオ紹介に続き、
展示場案内へと移った。やはり、実物を見るのと、ビデオを見るのでは、
頭に残る印象が全然違う。
実に様々なハンドリングマシンを見せていただいた。
最新式の誘導電流により、モノレールのような軌道を移動するハンドラーは、
重量を支えるフリーホィールが軌道上を回転する以外は非接触式だ。そして軌道は、
まるで遊園地のコースターのように急勾配で落ちていく。90度、
すなわち水平から垂直に軌道を曲げてもハンドラーが追従する。
次にパレット系、ケース系の保管・管理システムだが、
以前は自動倉庫と言われていたものに似てはいるが、すこし違うようだった。
20年前までは自動倉庫を導入しても、その柔軟性に欠けるところや保守費用のため、
結局失敗に終わる例が意外に多く、闇雲に自動化を進めてはいけないことの戒めに、
よく引き合いに出された。しかし、今日見たシステムは実に柔軟性に富み、変幻自在、
これからの「適応性の時代」に十分追従できるものだった。ロボットで言えば、
アームに相当する直行型パレットハンドラーが動いているかと思うと、
1トンはあろうかという自動棚が、さらに1トン前後の保管物をいくつも載せたまま、
床面を移動する。従来の『棚は固定』という固定観念を打ち破った柔軟性の実現だ。
センサーを利用した制御安全の実現のみならず、
そのゆっくりとした移動には、ドアプロジェクトで言われた『10ジュール則』
が活かされているのだろう。くれぐれも、
無理な客先からの要求に応えて本質的に不安全なシステムが将来できないよう願う。
次回大阪懇談会・大阪夏の大会
7月8日に予定していた大阪夏の大会は、準備不足のため、
9月に延期、開催場所を仮予約してから日程を決めるが、暫定的には9月9日。
このため、7月8日は、阪神・淡路大震災記念、人と防災未来センターの防災未来館
を尋ねることとなった。