特定非営利活動法人失敗学会 |
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2007年3回目の見学会 東京でその日までの今夏最高気温(32.7℃)を記録した7月27日、失敗体験ネットワークは
JR田町駅/東京メトロ三田駅に近い産業安全会館(写真)/安全衛生総合会館内にあるOSH-SQUARE TOKYOを見学した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の
筑波宇宙センター,ANAグループ安全教育センターに続く2007年3回目の見学会である。
「VRシアター」 VRシアターは、CGによる全員参加型の仮想体験空間施設。危険箇所はどこかといった設問に応じて、 参加者は手元のリモコン(写真左)で回答する。参加者の回答結果に応じてストーリーが展開していく。 8種類の上映メニューがあるが、今回は新作の「sai-BALL体感安全塾 リスクアセスメント入門編」を視聴。 オフィス内の高所の書類棚から書類を取り出す際を例に、危険性とリスクの違いや危険の源について学習した。失敗体験ネットワーク メンバーの意見が真っ二つに分かれる(写真右)ほどの難解な?設問もあった。 結果の重大度(ケガのひどさ)と発生の可能性(ケガの起き易さ)の2軸で分類してリスクの見積り(アセスメント)を行なう方法が 説明された。この評価方法は、様々なシーンで利用できそうである。 「3Dシアター」 3Dシアターは、危険な状態や災害発生の状況を立体映像で視聴することができる施設。実際に発生した 重篤な労働災害やヒヤリ・ハット事例を参考に製作された6編の映像(13分~25分)を視聴することができる。今回は 「ダイジェスト版」と「製造業編」の2編を視聴した。 「ダイジェスト版」では、安全パトロールロボットの「sai-BALL君」が「ヒヤリハットレーダー」で労働 災害を感知し、現場に急行。労働災害防止策を解説してくれる(写真)。「災害ゼロから危険ゼロへ」というスローガンの下、危険そのものを減らすことの重要性が伝わってきた。 「製造業編」では、転倒,挟まれ・巻き込まれ,墜落・転落,飛来・落下,激突という5種類の作業現場での 災害事例が、コント仕立てで紹介されている。目の前に迫ってくる工具やパイプ等の画像が、3Dならではの迫力があった。 産業安全技術館 シアター視聴後昼食までの限られた時間で3つの展示場を中心に駆け足で見学。合計17のコーナーで、保護具や防爆電気設備の実物等が 展示されている。最も印象的だったのは第3展示場「保護具コーナー」のヘルメット。落下物の直撃だろうか、ヘルメットに開いた穴(写真)が生々しい。 災害の種類(重機災害,墜落・転落災害,土砂崩壊災害,爆発災害,倒壊災害)毎に、現状と防止策が説明されている。実際に発生 した事故事例を組み合わせれば、更に効果的な展示となるだろう。機会があれば再度訪れてじっくり見学したい。 特別展「転倒災害を防ぐ~高齢者のへのやさしい職場づくりのために~」 体験という点で有意義だったのは、たまたま見学時に開催されていた特別展。転倒災害の発生率が高くなっている現実 (2006年に発生した死亡災害及び休業4日以上の死傷災害のうち、転倒は18.3%で型別第1位)をふまえ、転倒を防ぐための取り組み等が紹介されて いる。 耐滑体験機では、耐滑安全靴の滑りにくさを体験することができた。左右で異なる種類の靴を履いて油が塗られた傾斜の上に立つことで、 靴の違いによる滑り具合の違いを実感できる。床材の比較体験コーナーでは、同じ素材であっても表面加工の違いでどれくらい滑り具合が違うかを、自分の足と 計測器で体験できた。転倒災害の2大原因は滑りとツマヅキだそうであるが、滑りを防ぐ対策を今回の特別展で実体験することができた。 「高齢者へのやさしい職場づくり」と謳われているが、転倒災害防止は高齢者のみならず全ての年齢層に共通の課題であろう。 この特別展の開催は、8月10日(金)まで。9月3日(月)~10月10日(水)は、OSH-SQUARE OSAKAに会場を移して開催される。 昼食会と臨時会合 田町センタービル ピアタ内の「謙徳」で昼食を摂りながら臨時会合。中田代表からの「安全体験研修(仮称)」準備状況報告に続き、 2007年12月に開催される次回年次大会での発表分担をおおよそ決めた。詳細は9月に開催する「失敗体験ネットワーク」第15回会合で詰めることとした。 VRシアター内で見学者一同の記念撮影
(写真撮影&文責:齋藤 稔)
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