流水プール、吸い込まれ事故
2006年7月31日、埼玉県ふじみ野市にあった市営の流水プールで、
プールの水の流れを起こすために設置されていたポンプの吸入口の吸い込まれ防止柵が外れていたのが発見された。
監視員、管理責任者が対応中に、家族や友達と遊泳に来ていた女児がその吸水口から吸い込まれ、
頭部を強打して亡くなった。
吸水口からその女児を探すも見つからず、事故発生から3時間以上経過してポンプ側から捜索を開始、
体の一部が確認された。重機により、少女の体のある吸水管を掘り起こす作業が行われ、
その衝撃的な映像が報道されて世間の耳目を集めた。
事故発生から6時間後、少女の体を開放するも搬送先の病院で死亡が確認された。
事件後、プールの管理を請け負っていた業者がその委託業務を第三者に丸投げしていたことがわかり、
また、吸い込まれ防止柵の固定を針金で固定していたことが大いに非難された。
本記事では、針金を使用することになった根本原因は、元々の設計にあることを解説。
また、監視員の資質の問題よりも、そこに至るまでの仕様や契約のあいまいさ、
さらに、管理者が事前にやるべき『関係者を集めて、管理する対象物構造の確認をする』ことを怠ったのを問題視する。
過去の類似事故の知識が管理者に伝わっていなかったのは真に残念であり、
社会全体に対する失敗学会の使命を痛感させられた。まだまだ私達の努力も足りない。
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