特定非営利活動法人失敗学会 |
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復興への道のり(福島県いわき市) Part 111月から JCOM テレビに出演している。 我が家には JCOM がないのが興ざめだが、S氏が番組のソフトを届けてくれるのでまあ良しとしよう。 S氏はそう見えるだけなのか、ずいぶん若いようだ。 様々な失敗を克服して今は遂者(すいじゃ、JCOMの造語?)となった猛者についてのコメントが欲しいとのことで、 失敗学会事務所に来られたのが8月だった。11月放送分の撮影が10月5日。 以前、中部の地方局収録で名古屋の朝日テレビを訪れたことがある。なるほど、 女子アナとは美しいもんだと見とれていた。さあ、本番ともなると裏方さんにドーランをパタパタ叩かれて妙に緊張したのを覚えている。 今回は少し様子が違った。 「ネクタイをした方がいいですか」 カメラマン一人のみ引き連れて現れたS氏に尋ねてみると、 「いや、特に。飯野さんのお好きな服装でどうぞ」 と言われてずいぶん気楽になった。 うっすら額に汗を浮かべていた私はまさかドーランを叩いて欲しいとも言えず、そのまま撮影に突入した。 居室には事務員が二人、何食わぬ顔で仕事をする横で、自分で考えた1分間の台詞をハキハキと発声するのは気恥ずかしいものである。 それにあらかじめ考えた台詞というのはどうにも不自然な発声になる。改めて俳優さんってすごいなあとあらぬことを考えていた。 第2回以降は、台詞を決めずにいきなり話し始めることにした。そのほうが講演や論文発表の時も練習をしない自分らしいと思った。 1月放送分は、福井県いわき市のムラコシ精工 の遂者についてコメントをすることになった。自動車ブレーキ用特殊ネジの他、 産業用の金属固定具を主に生産している。同社の内容については番組、もしくは上リンクのHPを見ていただこう。 本社が小金井市、新宿にもショールームがあるが、今回は地震被害から立ち直ったいわき工場が取材の対象だった。 どうしても、訪ねてみたいと思った。S氏に相談してみると、番組から交通費は出ないというつれない返事。 いわきまで行けば、その工場だけではなく、大きな被害を受けた小名浜港復興の様子も見れるだろう。 そう思って午後の予定を空けた日を作ってレンタカーを飛ばして行ってきた。残念なことに高速通行料が無料となる前だったので、 旅費がかさんでしまった。ええい、ままよと考えなければ出せない授業料だった。 到着してみると、電話連絡を取っていた方とまず面談し、なぜ遠路いわきまでやって来たか説明をすることになった。 そうかS氏、私が本当に行くとは思わなかったのだと気がついた。 「テレビ番組でコメントする以上は、自分の目で見ないと気がすまない」と誠意を込めて説明すると、工場長さんまで同行していただき、 快く工場の案内をしていただいた。加工用機械から切削用のバイトまで、工場内で製作しているのには驚いた。 しかも、その加工用機械には様々なノウハウが結晶していた。遠くまで来たかいがあった。 こういう勉強の機会はそうそうないのである。 さて、大変有意義な工場見学を終え、挨拶を交わして小名浜港に向かった。どこまで行けるかわからなかったが、 とにかく目指した。あらかじめ、市役所の方にはアクアマリンふくしま が営業していて、そこの駐車場がオープンしていることを聞いていた。 小名浜港は中でも比較的震源地から離れていたことと、港が南東に向いているため、他の北部の街に比べると、 内陸奥深くまで津波の被害は及ばなかったようだ。それでも港のその近くはさんざん自然の脅威に破壊されてしまった。 アクアマリンふくしまは、子供たちに夢を与える施設をなるべく早くと大変な思いをして再オープンさせたようだ。 上記ホームページを見ると、3・11からわずか4ヶ月余りで再開している。 世界各地にある水族館には、それぞれ特徴となる展示水槽がある。 私の中のベスト3は以下の通り (括弧内は touropiaから、メインタンクの容量)。
誰かに、美ら海は世界2位と聞いてそう信じていたが、上記 touropia によると、メインタンクはドバイの ショッピングセンターの 1,000万リットルものに抜かれた。 ただし展示窓の形状を見ると、美ら海の方に美しさの分がありそうだ。 ちなみに世界最大のメインタンクはアトランタ州にあるジョージア水族館の 2,400万リットルと群を抜いている。 (Part 2 はこちら)
【飯野謙次】
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