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 文京区本郷 5-29-12
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フォーラム105 in 文京

飯野謙次「チームづくりの数学」
実証実験に参加しよう

日 時:2013年2月23日土曜日
場 所:文京区民センター 2-B会議室(文京区本郷4-15-14)
材料費:失敗学会員 1,000円、一般 2,000円
参加者:【失敗学会員13名】綾部豊樹,中根和誠,斉藤貞幸,八木義雄,
          飯野謙次,林亮太郎,石橋明,平真寿美,平和昭,本村和也,網倉麻古,
          石松範章,福本喜枝

13:30 開場
14:00 飯野謙次講演: 「チームづくりの数学」
15:00 工作開始
16:30 実証実験結果発表
17:00 終了

17:30 懇親会:赤提灯(上野広小路)2,000円


 笹子トンネルの天井板崩落事故の原因は、アンカーボルト、あるいはアンカーとして充填したの接着剤不足など、まもなく結論が出る模様だ。 会員限定の掲示板で吉岡さん等、会員の方と意見交換をしいるが、 そこにも書いたように今回残念だったのは、2006年7月にボストンでほとんど同じような事故があったのに、その警鐘を活かせなかったことだ。 他所の事故を他山の石とするのは難しい。
 このフォーラムでは、この事故を題材に他にやり方はなかったのか、創造性の発揮を試みた。 アクティブラーニング、グループプロジェクト、手を動かすこと、などふんだんに取り入れた上に、 今回は先ごろ出版にこぎつけた“チームづくりの数学”の解説も行った。 内容はプラトニック変換の解説だが、手っ取り早く自分たちのチーム力を解析したかったら、次のページに言ってアンケートに答えてみると良い。

http://www.shippai.org/iTeam/index.php

 パスワードもないので、失敗学会員以外でもアクセスできる。 途中、メールアドレスを残す箇所があるが、嫌なら書かなくともよい。ただし、書いておくと表示された結果がメールでも送られてくるので便利だ。 それに機が熟したら、統計結果も発表したい。メアドのないエントリーはいたずらとして、その統計に入れるつもりはない。 注意していただきたいのは、これはあくまでも“チーム”を作るときの心理分析手法であること。恋人や家族とやっても話題提供にはなるが、 相性診断にはならないこと。
この結果から、知覚領域と判断領域に自分の心理タイプのプロットを作るやり方がわかりにくかったので、ここに解説を書いておく。

 まず、右図がフォーラム当日の私の心理タイプ分析結果だ。“当日の”というのは、日によってこれが微妙に変わるからである。 上半分が知覚領域の結果、下が判断領域である。それぞれ、上の水平・垂直軸上の得点より、対角線上の位置を示す下図の方が使いやすい。 右、上から2番目の図から、知覚領域で私は以下得点を得、知覚領域心理マップの対角線上に2つの点を打つことができた。
  • 外基準直感=0.22
  • 内基準直感=0.05


     さらに判断領域では、以下の通りだ。
  • 内基準思考=0.35
  • 内基準感情=0.15


     4つの数字の中で一番大きいのが内基準思考の0.35。 これがある判断領域でない方、すなわち知覚領域の大きいほうは、外基準直感の0.22である。
     よって、ユングの心理タイプでは、私の主機能は分析(内基準思考)、補助機能は観念(外基準直感)である。 これら2つのマップにチームメンバー全員の心理タイプを対角線上に打ち、大きな領域を占めるチームが強いチームというのが結論だ。

     チームは3つ、心理タイプの調整はしないでほとんどランダムに形成した。ここで、プロジェクトの課題を説明せねばなるまい。

    笹子トンネルのコンクリート板はそのまま使用し、それらをどのように支持すればよいか考え、プロトタイプを作ること。
     材料は、養生テープ(これをトンネルと見立てる)の内側2箇所に割り箸を貼り付けたもの(これをトンネル内部のコンクリート板を載せる段に見立てる)、 厚さ3ミリ、幅30ミリのラワン板(これをコンクリート板に見立てる)、厚さ0.5ミリの塩ビシート(これを鉄に見立てる)。 塩ビシートはカッターで切断でき、養生テープで接着してよい。ただし、コンクリート板やトンネルへの固定はアンカーボルトに見立てた短い釘で行う。

    以下に3つのチームの心理タイプマップと成果を示す。



    写真の右側完成作品では、わかりにくいが、トンネル上部を円筒状の鉄板があり、 吊下げ板はトンネルではなく、その鉄板に固定されている。アンカーは不要というわけだ。 写真中、左の工作物は、円筒状の鉄板を平板にした第2案。





    このチームも2案あり、完成したのは写真のように、上下からコンクリート板を挟み込むもの。 ちょっと製造工程が難しそうだ。第2案は上チームの案とほとんど同じ。 ただし、時間切れで説得力のあるプロトタイプはできなかった。





    最後ののチームはユニークな解を出した。コンクリート板を今より少し幅広にし、 山を形作るように付き合わせるというもの。念のため、下から同じ山形状の鉄板で支える。 やはりアンカーボルトは不要。



     さて、どのチームのプロトタイプが優れているか、またチーム力との相関はどうか。 判断は読者諸氏にお任せしよう。 ちなみに、自分のチームに投票したらだめというルールで投票したら、
    チーム1: 7点
    チーム2: 1点
    チーム3: 4点
    となった、チーム力マップでは、感情要素のほとんどないスポック君の集まりのようなチームが優勝だ。 短期決戦は良いが、長くいると社会性欠如のため、分裂してしまうだろう。

     以下は、笹子トンネルの問題を考えたときに、機能・構造木と公理的設計を利用した分析を行ったスライドである。 フォーラムは、途中経過を皆さんにお見せしたが、ずいぶん考えさせられる解析結果を導き出した。会員エリアにお見せするので、 興味ある方には是非見ていただきたい。

    飯野使用スライド PDF ファイル(⇐会員リンク)
    【飯野謙次】
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