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フォーラム107 in 本郷 報告

TRIZから生まれた
原因究明・リスク予測の思考法=AFD

日 時:2013年4月20日(土)
場 所:東京大学工学部2号館 31A室
参加者:会員16名網倉麻古,綾部豊樹,江田隆正,福本喜枝,飯野謙次,石井健児,
          石橋明,石黒晴久,宮崎 敬,中嶋明宏,中村 弘,二平雄二,
          奥田孝之,佐々正光,志賀 眞,八木基紀,一般1名長谷川 公彦

「TRIZから生まれた原因究明・リスク予測の思考法=AFD」
黒澤愼輔(くろさわ・しゅんすけ)
【会次第】
12:30 開場
       13:00 イントロダクション
                     -AFDという方法の紹介
                     -やぶにらみTRIZ
                     -質疑
       14:00 ブレーク
       14:15 ワークショップ1(基本の3ステップ)
                     -説明
                     -2グループに分かれてワークショップ
                     -解説
       16:15 懇談と質疑
       16:30 終了

       17:00 懇親会(加賀屋2,000円)


 2008年に出版されたスヴェトラーナ・ヴィスネポルスキー(Svetlane Visnepolschi)著の“How to Deal with Failures(The Smart Way)”をこのたび黒澤愼輔さんが全訳された。この成果は日刊工業新聞社から発売され、先ごろこのホームページでも御紹介させていただいたものだ。その書籍で紹介されているI-TRIZの解説と、できたら体験もしてみたいとお願いしたところ、快諾をいただいた。

 そして当日。黒澤さんははじめにAnticipatory Failure Determination(以下AFD)を作った人々とTRIZ、そこからI-TRIZまでの経緯をざっと紹介された。AFDはTRIZを基にして作られた原因究明とリスク予測の思考法ということだ。
 不具合を予測して事前に手をうつためにFMEAなどのツールがあるが、AFDは、不具合をどうすれば起こせるかを積極的に考えることによって原因やリスクを浮き彫りにするという、逆転の発想をすることに特徴がある。

 起こりそうにないことを起こすためにあれこれ知恵を絞り、「ほーら、こうすればできるじゃーん」とどや顔をするのはかなり楽しかった。ワークショップでは、わからないことはなにか? からはじまり、わからないことの中で起きている主要な現象をどうしたら生じさせられるか、、、と段階を経て考えていったが、これまで経験したブレーンストーミングより明確な目的があるだけに多彩な意見が出たと思う。

 しかし、私はふと「ここで考えついたことを現実に置き換えた場合、具体的に何を使ったら起こり得るのかがわからない」と思った。
 あるいは、ワークショップ課題「よっぱらい潜水士」の場合、どうするとそういう状況になるのかを考えるのは面白かったが、現実的に考えるとそんな構造の潜水服は危ないし、最初から作らないだろう。

 TRIZを使って予測された不具合事例をどのように解決し、実行されて、成功したか、具体的な例を紹介していただけたらよかったなと感じた。思考支援のツールと考えれば面白く取り組めるので、どんな年代にもマッチするツールであろうし、柔軟な発想をする手助けになるだろう。
(福本喜枝)




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