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フォーラム109 in 本郷 報告

組織の失敗体質は
(プロジェクトの)現場から変えられるか?

日 時:2013年月7月6日(土)
場 所:東京大学工学部2号館旧館309号室
参加者:【会員18名】 網倉麻古,綾部豊樹,飯野謙次,石橋明,石松範章
          奥田孝之,斉藤貞幸,佐々正光,佐藤俊一,田辺和光,寅岩和彦,
          中尾英和,中根和誠,中村弘,二平雄二,八木基紀,河東康一,牧野義司
一般3名】 金光恒治,中村佳世,中村誠

「組織の失敗体質は(プロジェクトの)現場から変えられるか?」
近藤哲生(こんどう・てつお)
【会次第】
13:00 開場
       13:30 事務局連絡
       13:40 講演
       15:10 休憩
       15:20 演習(現場の個人活性化)
       15:50 グループ討論
       16:30 発表と近藤さんによる講評
       17:00 終了

       17:30 懇親会(加賀屋 一次会2,000円、二次会1,700円)


 今年は早い梅雨明けが宣言され、酷暑の7月、翌日からの連続猛暑日を思わせる34°Cを記録した土曜日となった。
 二度目の御出講を願った近藤哲生さんは、会員番号が 181番と珍しく若い。興味を持って入会記録を見ると、2002年10月30日。まだ失敗学会が東京都に設立申請中のことだ。ちなみにこの日、失敗学会の会員番号について説明したので、ここに記録しておこう。

 会員番号1番は、畑村会長、2番は私、飯野謙次。3番は設立時に監事を担っていただいたが退会された方。4番は中尾政之先生である。これら以外に正当な一桁は3名しかいない。事務局の福本喜枝さんには、欠番となっていた3番を渡した。メルマガツールでテスト送信をして内容に間違いがないか、確認するためである。
 2桁は9名が健在だ。他の80名は退会されたり、後に法人会員登録に変更したりして番号が変わってしまったことになる。失敗学会の会員番号は、入会をしたときではなく、その申込みをしたときに自動的に振られる。実際に申込みをされた人に加え、一般枠からイベントに申込むと、会員として取り扱えるよう、パスワードを通知しないで会員登録をしている。最近はこの臨時半会員枠は使いまわしているので、増えることはめったにない。現在、番号は3001番までが振られている。この番号が、将来どこまで伸びるか楽しみだ。現会員は、自分の番号を大切にして欲しい。

 失敗学会での近藤さんの講演は2回目になる。最初の講演は、2004年初回の第15回懇談会()だった。きっかけは初めて集まった2003年3月の「非公式な集まり」()だったと、この2回目の講演で知った。なるほど、『飲もうよ』の掛け声に集まった11名の中に、名を連ねておられる。

 近藤さんは、日立製作所の情報通信部門で活躍された後、2002年にコンサルタント会社ウィン アンド ウィンを設立。 「プロジェクトでは、個人が能力を最大限に発揮できる環境をつくり、個人を成長させることで失敗を回避する」マネジメントの重要性を提唱し、その手法の開発に取り組んでおられる。以下著作がある。
  • 実用企業小説:プロジェクト・マネジメント、日本経済新聞社、2004年1月

  • はじめてのプロジェクトマネジメント、日本経済新聞社、2005年5月

  • プロジェクト・マネジメント実践ワークブック、秀和システム、2012年12月
  •  さて今回の講話は、各プロジェクトメンバーの充実感を高めると全体も成績が伸びるという話。それを具体的にどう実現するか、失敗の連鎖を食い止めるにはきちんと失敗の原因を分析し、さらに成功した時も喜んでばかりいないで、その成功要因もきちんと組織に残すことだという。権威勾配の中にあって、きちんと情報が上下双方向に流れないと、いつかは破綻をしてしまう。
     また個人のタイプ論が面白かった。行動、基本思考、得意とすることなどで特色があり、それぞれ把握していると上下関係がもっとスムーズになる。組織の中の個人も、組織の中で成功を模索し、組織自体ももちろん成功を目指している。その中で、重圧やら人間関係やらに押しつぶされず、みんながハッピーになることによって、組織もハッピーになる。なるほど、だからウィンアンドウィンだ。少しでもこの状態に近づければ世の中もっと幸せになるだろう。

     そういえば、6月18日のテレビニュースで2012年の自殺者数が27,858人であったと報道されていた。1998年に急激に増えて3万人を越えてから、なかなか落ちなかったのが、ここに来てようやく3万人を割った。ただし、自殺者数のことなので喜ばしいと言っては語弊があろう。総じて人々が少しハッピーになったのか、それとも東日本大震災とそれに続く原発禍によって、へこんでいる場合じゃないと思ったか、このまま減り続けて欲しいものである。

     フォーラム後半は、3つのグループに分かれて「オフサイトミーティング」の練習をした。ファシリテータ、タイムキーパー、記録係、発表係を決めてテーマについて話し合った。失敗学会活性化について、話し合ったグループではいくつかのアイデアが飛び出した。
     つい先ごろ、富士山とその周辺が世界遺産に登録されて大いに盛り上がった。失敗学会もなんらかの認定を行ってはどうか。
     自分の組織が問題を抱えていることは感じているが、それをどうやって改めて行くか、あるいは改まるよう仕向けていくか、どこから初めて良いかわからないが、失敗学会からなんらかの指針を示してもらえないだろうか。など、、

     人が集まれば、今までになかった視点からの意見が聞こえる。これが面白いからやめられない。千三つと言うけれど、300個も新しいことをやれば1個は当ると思えばよい。 フォーラムも後20年続ければ、その中の1つが当っている。それが今回だったかも知れない。

    【飯野謙次】






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