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失敗学フォーラム 113 in 大阪報告

日 時: 2013年11月9日土曜日
場 所: 総合生涯学習センター (梅田 大阪駅前第2ビル5・6階)、第5会議室
資料代: 一般 1,000円、失敗学会員 500円、大阪分科会員 無料
参加者: 【会員10名】平松雅伸, 三田薫, 小川正, 大澤勲, 岩崎雅昭,
             飯野謙次, 岡田敏明, 福井則夫, 木田一郎, 中尾英和
          【一般2名】天谷勝弘, 松浦航典

14:20 『日本触媒姫路製造所の火災爆発事故の教訓』(平松雅伸)
15:20 ダイセル堺の爆発事故との対比討論(会員A氏)
16:15 休憩
16:25 次回1月フオーラム予定、来年度の年間予定について(大澤勲)
         2014年大阪夏の大会の講師候補者ノミネート、2013年年次大会発表
16:50 終了

17:30 大阪分科会忘年会(楠木フサヱ、3,000円)

平松雅伸他講演
 ここのところ、大阪で集まるときは本多さんに甘えて WIT等、NPOがいくつか集まったビルの会議室をずーっと使用させていただいていたが、 今回は、大阪駅前第2ビルにある総合生涯学習センターに集まった。来てみると、梅田ということもあって遠方からの来阪者にはすこぶる便利だった。

 さて、今回は前回に引き続き(前回の報告は未了)、平松雅伸さんに御出講いただいた。 演題は、昨2012年9月29日に発生した日本触媒姫路製造所の火災爆発事故である。人的被害は死者1名、負傷者36名だったが、 死亡したのは消防の1名。負傷者には消防24名と警察2名がいた。
 事故そのものの概要は以下の通りである。
 定常生産時は使用しない中間タンク(slop tank。ちなみに英語で slop は“かす”の意味)をテストで9割がた満杯にした。 ところが、タンク上部にタンク下部から低温の内容物液を回す配管の弁が閉じていて、タンク上部のアクリル酸温度が上昇した。 これをアラームとベント管からの白煙で確認したが、すぐ公設消防に通報しなければならないところ、その通報が20分遅れた。 到着した消防がタンクへ放水を開始するも、タンクが二重構造になっていたため効果が薄く、 タンク内部が高圧になって亀裂が入り、内容物が流出、爆発、延焼。
 この日本触媒の事故は1982年のダイセル堺でのモノマー重合による暴走反応、 爆発事故と類似しているという。事故のきっかけは攪拌機の故障だった。 死者従業員が6名だったが、負傷者199名のうち、174名が近隣住民とずいぶん迷惑な大爆発だった。
 平松氏は言う。
「日本触媒事故での問題は、アクリル酸が飛散して付着すると、危機的火傷、類焼、高温の情報が消防側に伝わらかったことです。 危険領域に消防車を停めて消防活動を続けていたことが、不必要に被害を大きくしました」
 特に化学工場では、物質特有のリスク〜ハザード情報を消防側に伝えることが必要だろうとの結論である。 神奈川県川崎市では、消防技術説明者の配置が事業者に要請されており、この日本触媒姫路製造所の事故をきっかけに、 兵庫県姫路市でもそれがスタートしたとのことだった。
 参加者からは、
「各自治体ではなく、全国的に要請しなければいけないのでは」
「消防でも、化学物質の知識を学ばなければいけないのでは」
「いや学んでも、常にその仕事をしているわけではないので、知識が曖昧になってかえって危ない」
など、大いに意見が交わされた。

その他
  • 大澤大阪分科会会長から、2014年夏の大会で出講を依頼したい人のリストが発表され、随時打診を始めることになった。
  • 夏の大会講演者は4名とする。
  • 2013年年次大会は12月21日(土)、大阪分科会発表は平松さんにお願いする。
  • 平松さん自身は日本触媒事故をやりたいが、大阪分科会員からは「プロ野球統一球」をやって欲しいと声が相次いだ。


番外
 会員A氏を中心とした討論は大変に盛り上がり、余韻は懇親会に持ち越された。 本記事は大阪分科会の醍醐味であるこの懇親会のやり取りについては伏せ、代わりに二次会の後、 お初天神に御参りしながら会員A氏に紹介された曾根崎心中について書いてお茶を濁そう。
 曾根崎心中、近松門左衛門、お初天神という固有名詞はばらばらに聞き知っていた。お初天神にいたっては、 初詣に出かけるのが人気なのだろうと勝手に思い込み、こんな小さな神社がなぜ有名なのかを不思議に思っていた。 それらが今回、会員A氏による名調子の観光案内でみごとに融合した。真にお恥ずかしい限りである。
 物語の大筋は露天神のホームページにあるので読んでみると良い。 悲恋物語、日本版ロミオとジュリエットである。
 当時の恋人は一途であったと思うと共に、今も昔もお金が好きな身勝手者や、 自分の都合で人の人生に勝手に道をつけようとする輩がいたのだと思う。 現代では相添えない愛を胸に心中に至るのは、ほとんど小説や映画の世界だけのものとなった。 代わりに、勝手な片思いをいだいて相手を殺してしまう者の出現には驚かされる。 曾根崎心中の悪者、九平次でさえもお初にあしらわれて毒づいて帰るだけである。
 ウィキによると、江戸時代に流行った心中ものの影響で本物の心中が多発し、 困った江戸幕府が心中ものの創作、上演を禁止、 心中に失敗した者は晒し者、成功すると葬儀は禁止などの厳罰が下された。 それでも来世で結ばれようと心中に突き進むものが後を絶たなかったようだ。 いわゆるロミジュリ症候群。障害が多いと恋愛感情は燃え上がりやすい。 家族の崩壊という代償を払って不倫を成就させてみると、大方つまらなくなってしまうのもこのためだ。
 しばらく前はおとなしい「草食系男子」が話題になったが、今は恋愛に全く興味を示さない「絶食系男子」という者までいるらしい。 これもネットで情報が欲しいだけ手に入る情報飽食の時代になったからか。 昔のような、男子校、女子校という制度も社会維持のための知恵だったのかもしれない。
【飯野謙次】






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