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第14回失敗学会年次大会

 失敗学会年次大会を以下要領で開催いたします。

日時:2015年12月19日(土)、10:00-17:45
場所:東京大学工学部2号館 3階 31-A室

                    会次第(予定)
09:00 開場
10:00 開会宣言、注意事項【飯野謙次】
10:15 “まさか”の失敗は、“つい、うっかり”の失敗とどこが違うか【中尾政之】
11:15 組織行動分科会【石橋明、綾部豊樹、大橋光三】
12:00 昼休み
13:00 大阪分科会【三田薫、高橋実芳子】
14:30 福島原発における津波対策研究会【吉岡律夫、淵上正朗・古川元晴】
15:20 休憩
15:35 “知らなかった”でも救われる方法【飯野謙次】
16:30 消費者安全調査委員会発足から3年間を振り返って【畑村洋太郎】
17:30 閉会の言
17:45 終了

18:00 懇親会 31B
年次大会資料代:会員・会員ゲスト 4,000円、一般 8,000円
(会員ゲストは12月1日より受け付けます。ゲスト割引は事前登録・ホスト会員とゲスト会員資料代の事前支払いが必要です。 詳細については本郷事務局に御連絡ください。当日登録のゲスト割引はありません。)

年次大会終了後、以下の通り懇親会を行います。
懇親会の参加登録は、懇親会費のお支払いをもって行います。 懇親会受付は参加20名、もしくは午後2時で締め切ります。

【時間】18:00~19:00   【会費】1,500円   【会場】工学部2号館31B室
スクリーン1 スクリーン2
座席予約状況
予約済空席空席
失敗学会会員は、
ここをクリックして
座席を予約してください。

今年は席数が 81 です。満員になって座席が選べない会員は事務局にご相談ください。

12月14日の時点で、空席があれば一般から参加希望者を募ります。

“まさか”の失敗は、“つい、うっかり”の失敗とどこが違うか
中尾政之(なかお・まさゆき)
講演者は、「続々・失敗百選」を執筆中(12月末出版予定)である。
ここでは、福島第一原発事故や東日本大震災の津波災害を中心に、“まさか”の失敗を分析した。“まさか”の失敗は“つい、うっかり”の失敗と違って、予防のために違和感を捉えた方向に思考範囲を展開することが重要である。つまり、過去のトラブルに執着せずに自分で低発生確率のシナリオを考えることである。一方、“つい、うっかり”を防ぐには、雑念を捨てて一心不乱に仕事に集中することが基本だが、展開と集中では脳にとって大きな違いである。
組織行動分科会活動報告
石橋 明,、綾部豊樹、大橋光三
(いしばし・あきら、あやべ・とよき、おおはし・こうぞう)
2004年1月発足以来、組織行動分科会は「組織行動学」を定義しつつ、研究テーマを産業界の事故災害や不祥事での意思決定上のプロセスや問題点を明らかにすると定め、合宿研究会や毎月の研究会で議論をしてきた。様々なモデルや手法を用いた研究の成果を報告する。
第2部では、合宿研究会でのワークショップから、新しいチーム力向上訓練手法の有効性や訓練実施方法等を報告する。
第3部では、今後の分科会の活動方針について、失敗学フォーラムへの積極的参加や分科会セッション企画を含めて提案する。
展示: スターリングエンジン競技会参加報告
斉藤貞幸(さいとう・さだゆき)
今年で3回目の参加となる、低温度差スターリングエンジン競技会で、重量物(?)牽引部門でみごと優勝しました。その実物を昼休みに展示します。
防災・減災ゲーム、クロスロード
三田 薫、高橋実芳子 (さんだ・かおる、たかはし・みほこ)
近年、我が国では多くの災害に見舞われています。しかし、同時に「なぜ頻発する災害の教訓が生かされないのか?」との疑問が呈せられることが多いのも事実です。
生活防災の手法として、参加者全員でクロスロード・ゲームを楽しみます。このゲームのポイントは、どのような環境でも、また、いつの時点でも普遍的で妥当な真理―「正解」―を求めることでなく、特定の現場において、「唯一解」の放棄と寛容の精神に立脚した、「より許容できる解」を探し出すことを目的としたものです。
福島原発事故の法的責任を検証する
古川元晴、淵上正朗、吉岡律夫
(ふるかわ・もとはる、ふちがみ・まさお、よしおか・りつお)
失敗学会では、「十万人以上の避難者がいる大事故の法的責任はなぜ問われないのか?」という古川講演をきっかけに、2014年2月からフォーラムを4回開催した。本件は強制起訴が確定している。これらの経緯と争点を解説する。
また、2015年4月からは「福島原発における津波対策研究会」を2回開催し、下記2点を命題に討論を重ねた。その結論を明示する。
  1. 福島原発において、巨大地震に伴う巨大津波を予測できたか?
  2. もし巨大津波が事前に予測されていたら、事前にどのような対策をすれば事故を回避できたか?
“知らなかった”でも救われる方法
飯野謙次(いいの・けんじ)
全ての失敗には失敗の軌跡がある。その軌跡は、どれかの要因要素が要素機能を満たせなくなったことから出発する。この起点を出発した失敗は、思考展開図を左に向かってより上位の要求機能を損ない、右に向かってより上位の要因要素を壊していく。失敗知識データベースの各事例について失敗の軌跡を記録しておけば、新たな創造に取り組む設計者がその思考展開図を完成したとき、脆弱性解析によって自分では気がつかなかった計画の脆弱性を知ることとなる。
消費者安全調査委員会発足から3年間を振り返って
畑村洋太郎(はたむら・ようたろう)
消費者安全調査委員会は2012年に発足して以来,ガス湯沸器事故,機械式立体駐車場事故,幼稚園のプール事故,家庭用ヒートポンプ給湯器の低周波被害,エスカレータ事故について調査・報告を行った.事故の調査分析に当たっては通常行われている責任追及を目的とはせず,事故を繰り返さないために,幅広い事故の防止に応用できる普遍性のある知見を引き出すことを目標とした.様々な要因が時系列的にどのようにつながって事故が発生したのかということを正しく知ることができれば,他の分野でどのような事故が起こり,どのような経過をたどり得るか,どのような防止策が考えられるか,等を知ることができるからである.



東京大学本郷キャンパス工学部
当日は土曜日のため、出入口は一箇所です。(丸印)


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