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第142回失敗学フォーラム in兵庫 -報告-

戦艦大和主砲加工工作機械見学


日   時:2017年 3月18日(土)、13:45-15:00
工場見学先:(株)きしろ 播磨工場
参 加 費:無料
参 加 者:飯野 謙次、角口 開道、佐々 正光、平松 雅伸、木田 一郎
      渕上 高義、原口 文徳、岩崎 雅昭、箭川 昭生、中野 拓視
      佐伯 徹   計11名

工場見学スケジュール(計80分程度)
13:45 会社紹介DVD拝聴
14:10 見学開始
14:40 見学終了、質疑応答
15:00 終了

17:30 懇親会(4千円、場所:アスピア明石、天府真味)






 余寒も薄れ、一雨ごとに暖かくなっている土曜の午後、大阪分科会恒例の見学会として、戦艦大和主砲加工工作機械の見学に(株)きしろを訪問した。
 (株)きしろは大正4年、明石市に於いて船舶用発動機関の製造目的に個人創業され、船舶用機械加工技術に秀でた「匠の技」で発展を遂げている企業である。近年、培った技術力を活用して航空機産業にも進出されている。 筆者は船舶についての知識が皆無であったため、改めて失敗学会が提唱している「現地、現物」の大切さを悟ることとなる。

 本日、見学させて頂くこととなった工作機械はドイツのワグナー社製である。戦艦大和主砲加工にも用いられたと拝聴し、約80年前にはこのような工作機械が生産され、使用されていたことに驚きを覚えた。 古い機械のメンテナンスは大変ではあるが、グループ企業が運用・保守を担い、万全のサポートがなされていることでお客さまにも安心頂けているとのこと。 旋盤加工を行う場合は1メートル前後の軸径に対して100ミクロン以内の精度(1/10,000)が求められるため、熱変形を考慮した仕上げ精度が必要である。大型の工作物であっても高精度が求められることに変わりはなく、技術力を持ち合わせない企業は到底進出することができない。

 また、人材育成にもじっくり取り組まれており、説明書などでは書くがことができないノウハウを「伝承」するため、数年単位で人材育成を行っている話を伺った。「伝承」は大変難しい問題ではあるが、真摯に取り組まれていることに感心した。
 最後に、失敗学会では過去より防災についてフォーラムを開催している。今回訪問した新島は人口島であり、本土に渡る道路が1本しかない。高い建物も少ないことから有事の際には十分注意して頂きたいとの思いを残し、春の見学会を終えた。
佐伯 徹








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