組織行動分科会報告
地下鉄ベビーカー引き摺りインシデントから学ぶ
昨年6月の
第136回フォーラムでは、組織行動分科会を中心に、2016年4月4日に発生した東京メトロ半蔵門線九段下駅での、ベビーカー事故について、Variation Tree Analysis (VTA)手法を適用し、VTA手法を学習するとともに、この事故について考察をしようという試みを行った。
組織行動分科会独自の分析、考察、提案に、このフォーラムでの成果を加え、1つの報告書がまとまった。事故から数日内に行われた同分科会メンバーによる現地視察、10回を越えるグループ討議を踏まえたこの報告書を失敗学会ホームページで発表の機会を得たことは、真に光栄なことである。
事故やヒヤリ体験の分析を行うVTA手法、m-SHELモデル要因分析を行うときにも、本報告書はいい教科書となる。失敗学会員には是非とも熟読していただきたいものである。
組織行動分科会報告(PDF)
目次
- はじめに
- 目的
- 3つのアプローチによる原因分析
- 事実の正確な把握
- 事象整理と原因の分析
- インシデント事象を誘発した要因の分析
- インシデント事象分析内容
- 事象の概要
- 発生日時と場所
- 背景となる情報
- 東京メトロ地下鉄半蔵門線
- 登場する人・物 等
- インシデントに至る経過の整理
- インシデント事象の現場検証でわかったこと
- 車掌の乗位置からホーム確認の難易度について
- ホーム上で車掌に与えられる安全確認時間は約30 秒
- ホームの非常通報ボタン持つ機能について
- 車掌は複数の想定外出来事を平行して判断処理しなくてはならなかった
- 車内の非常通報と同時にブレーキをかけても、ベビカ大破は免れなった
- 直接的原因分析結果と考察
- インシデント事象に至る全体像の把握
- 特定された直接的原因と考察
- インシデントを誘発した推定原因分析結果
- 原因分析のまとめ
- 原因分析からの学び
- 失敗の教訓
- 成功の秘訣
- 原因分析を振り返って
- おわりに
- 用語の解説
- 情報ソース、 参考文献 ならびに分科会活動
- 情報ソース一覧
- 参考文献一覧
- 分科会活動一覧