| 事例名称 |
平行四辺形リンク機構のリンク先端が重心不良で円軌道を描かなかった |
| 代表図 |
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| 事例発生場所 |
工場生産ライン |
| 事例概要 |
リンクの前方端を円運動させる目的で、駆動軸リンクと従動軸リンクからなる平行四辺形リンク機構を設計・製作した。駆動軸を回転したところ、リンク前方端が円軌道を描かなかった。リンクの重心位置が前方に存在したため、270度回転時にリンク前方端が大きく位置を下げた。従動軸も駆動軸に変更して、常に平行四辺形を保つリンク機構に改造した。 |
| 事象 |
リンクの前方端を円運動させる目的で、駆動軸リンクと従動軸リンクからなる平行四辺形リンクを設計・製作した。駆動軸Aの回転で、図2の(a)の点線の動きを期待したが、270度回転時に(c)のようにならず、(d)のようにリンク前方が下がってしまった。 |
| 経過 |
平行四辺形リンク機構を組立後、さっそく駆動軸Aを回転したところ、90度回転時は期待どおりの(b)の動きであった。ところが270度回転時、期待していた(c)の動きにならず、実際の動きは(d)のようにリンク前方が下がってしまった。 |
| 原因 |
リンクの重心位置が前方に存在したためであった。 |
| 対策 |
駆動軸をAだけでなく、Bも駆動軸にすることで、平行四辺形を維持できるように改造した。 |
| 知識化 |
リンク機構では、重心位置がどこに存在するかチェックする必要がある。特に平行四辺形リンク機構の場合、片軸駆動は平行四辺形を維持しないことがあるので、両軸駆動とすることで軌跡の確保が図れる。 |
| 背景 |
設計の図面上では、重心位置に関係なく、リンク等の位置関係が描けてしまうので、実際の動きを見逃してしまう。 |
| シナリオ |
| 主シナリオ
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調査・検討の不足、仮想演習不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、環境変化への対応不良、使用環境変化、定常動作、誤動作、不良現象、機械現象、相互運動部、構造の問題
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| 情報源 |
創造設計エンジンDB
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| マルチメディアファイル |
図2.平行四辺形リンク機構の動き
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| 分野 |
機械
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| データ作成者 |
張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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