失敗事例

事例名称 米国で印刷機の検知センサが摩耗して、通紙検知不良が発生した
代表図
事例発生地 米国
事例発生場所 ユーザのオフィス
事例概要 米国で印刷機の通紙検知不良が発生した。検知センサの材質が摺動性の劣るABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)だったため、米国製の紙で測定子が摩耗したことが原因であった。対策として、検知センサの材質を摺動性がよいPOM(ポリアセタール樹脂)に変更した。
事象 米国のユーザのオフィスで稼動中の印刷機に、通紙検知不良が発生した。
経過 日本で印刷機を開発し日本での評価実験の後、販売を開始したところ、米国のユーザのオフィスで稼動中の印刷機に、通紙を時々検知しない不具合が発生した。検知センサを点検すると、紙との接触面に異常摩耗が確認された。
原因 経験の浅い技術者が、検知センサの材質を一般的な材料であるABSを選んでしまった。ABSは摺動性に劣り、さらに表面の滑らかさが日本より劣る米国の紙で、紙との接触面が異常摩耗してしまった。
対策 検知センサの材質を摺動性の良いPOMに変更した。
知識化 原価低減で一般的な材料に変更して、不具合が発生するケースは多い。高級な材料を使っている理由をよく理解することが大切である。
背景 使われ方の違いも、不具合の要因となることも多い。本事例でも、日本での評価実験では、表面の滑らかな日本製の紙を使って合格となっているが、米国の紙では条件が異なり不合格となっていた筈である。
シナリオ
主シナリオ 組織運営不良、構成員不良、構成員経験不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、環境変化への対応不良、使用環境変化、定常動作、誤動作、企画不良、組織構成不良、試験計画不良、材料的要因、物質名リスト、プラスチック、接触、異物質接触、不良現象、機械現象、相互運動部、摩耗
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図1.印刷機の通紙検知センサの摩耗
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)