失敗事例

事例名称 油圧ホース位置決め用のスプリングが繰り返し曲げで折損した
代表図
事例概要 建設機械で、油圧ホース位置決め用のスプリングの先端部が折損した。スプリング先端部がボルト固定のため、油圧の脈動や車体の振動等で、スプリング先端部に繰り返し曲げがかかったことが原因であった。対策として、プレートを追加し、スプリングの先端部に曲げがかからない構造とした。
事象 建設機械で、油圧ホース位置決め用のスプリングの先端部が折損した。
経過 建設機械では、多くの油圧ホースが使われるが、ホース同士または車体との接触を防ぐために、図2左のように、スプリングで位置決めされている。整備点検時に、このスプリングの先端部の折損が発見された。
原因 ホースのクランプ位置決めするために、図2左のように、スプリング先端部をボルトで固定していたので、油圧の脈動や車体の振動等で、スプリング先端部に繰り返し曲げがかかったためである。
対策 図2右のように、プレートを追加し、プレートの穴にスプリングを引っ掛けて、スプリングの先端部に曲げがかからない構造とした。
知識化 稼動状態での外力の方向を把握しての設計が不可欠である。
背景 本事例では、プレートを追加したが、一般に引張りばねが伸縮すると、ねじれが生じるため、プレートの穴とばねの引っ掛け先端部とが擦れて、先端部が折れる危険性もある。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、仮想演習不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、不良現象、機械現象、構造の問題、振動、繰返し応力、破断
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.ホースの位置決め用のスプリング折損とその対策
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)