事例名称 |
ギヤケースのオイルが油圧の上昇でクラッチ室へ流出した |
代表図 |
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事例概要 |
ギヤケースのオイルがクラッチ室へ流出した。機械の稼動によって、オイルが温度上昇し、それに伴ってギヤケースの内圧が高くなり、オイルシールの耐圧限界を超えたためである。対策として、ギヤケースにブリーザを装着し、内圧の上昇を防止した。 |
事象 |
機械の稼動開始後しばらくして、ギヤケースのオイルがクラッチ室へ流出した。 |
経過 |
機械の稼動後しばらくして、クラッチ室の油温が異常に上昇した。調査してみるとクラッチ室のオイルレベルが増加しており、オイルの攪拌によるものと判明した。 |
原因 |
図2のように、クラッチ室とギヤケースは、オイルシールで隔離されている。機械の稼動によって、オイルの温度上昇に伴ってギヤケースの内圧が高くなり、ついにオイルシールの耐圧限界を超えたため、ギヤケースのオイルがクラッチ室へ流出した。 |
対策 |
対策として、図2のように、ギヤケースの上部にブリーザ(息抜き)を装着し、ギヤケース内圧の上昇を防止した。 |
知識化 |
機械が稼動すると、装置の各部分が温度上昇する。温度上昇のレベルを把握し、その温度上昇による影響を考慮した設計が必要である。 |
背景 |
オイルシールの耐圧限界は、異物の噛み込みや部品加工精度などの要因でさらに低下することがあるので、常にブリーザを装着することが望ましい。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、不良現象、機械現象、材料的要因、物質名リスト、機械油、不良現象、機械現象、構造の問題、熱、過負荷、想定外負荷、流体、漏洩
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情報源 |
創造設計エンジンDB
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マルチメディアファイル |
図2.クラッチ室とギヤケース間のオイルシール
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分野 |
機械
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データ作成者 |
張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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