失敗事例

事例名称 高温の焼結粉を輸送する台車の側面から熱風が吹きだした
代表図
事例概要 高温の焼結粉を輸送する台車の側面から熱風が吹きだした。熱でサイドウォールが変形し、台車とのすきまができたためである。対策として、サイドウォールと台車との間に段差を設け、熱でサイドウォールが変形しても、すきまができない構造とした。
事象 高温の焼結粉を輸送する台車の側面から熱風が吹きだした。
経過 図2のような、高温の焼結粉を輸送する台車を設計製作した。稼動開始後しばらくすると、台車の側面から熱風が吹きだしてしまった。サイドウォールと台車との間にすきまができていた。
原因 熱でサイドウォールが変形し、台車との間にすきまができたためである。
対策 図3のように、サイドウォールと台車との間に段差を設け、熱でサイドウォールが変形しても、段差でシールされる構造とした。
知識化 高温になる構造物では熱変形量を考慮し、熱変形しても機能が満足できる構造にする。なお、仮に熱変形しても、構造物を拘束しなければ熱応力は発生しないので、機械が壊れることはない。たとえば高温の軸を両端の軸受で支えるときは、片端をスラスト方向に拘束したら、もう片端は自由にして熱変形を解放する。
背景 引き戸の当り面にくぼみをつけて、すきま風を防ぐことは広く行われている。なお、高温の作業環境では、本事例の熱風のほか、熱の対流、輻射熱などへの対応が不可欠である。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、仮想演習不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、熱変形、熱風
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.台車の側面からの熱風の吹きだし詳細(対策前)
図3.熱風吹きだし防止(対策後)
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)