失敗事例

事例名称 膨張・収縮の繰り返しでコネクタ用の基板パターンが剥離した
代表図
事例発生地 海外
事例発生場所 顧客の事務所
事例概要 複写機の稼動後数年で、AC電源不具合が発生した。いずれも特定のコネクタ用の基本パターンが剥離または切れていた。この機種は、コネクタの数を減らすため、ピン数の多いコネクタを使用していた。長期間の使用中に、樹脂のコネクタが熱と湿度で膨張・収縮を繰り返したので、熱疲労によって金属のパターンの破壊に至った。対策として、コネクタを分割して、ピン数の少ないコネクタに替えて応力を分散させた。
事象 複写機の稼動後数年で、AC電源不具合が発生した。いずれも特定のコネクタ用の基本パターンが剥離または切れていた。
経過 複写機の新機種でコネクタの数を減らすため、ピン数の多いコネクタを使用した。この複写機を海外市場に設置したところ、数年でAC電源不具合が発生した。いずれも、図2のように、特定のコネクタ用の基板パターンが剥離または切れていた。
原因 図2のように、ピン数の多い、つまり従来より長い樹脂のコネクタが熱と湿度で膨張・収縮を繰り返したので、熱疲労によって金属のパターンの破壊に至った。
対策 コネクタを分割して、ピン数の少ないコネクタに替えて応力を分散させた。
知識化 従来品を変える場合は、変更のメリットのみを考え勝ちであるが、変更によるデメリット・悪影響も十分検討する。なお、従来品の実績は、社内の限られた条件でのテストよりはるかに勝る。
背景 部材を分割すると拘束部分の熱応力が小さくなる。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、仮想演習不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、回路パターン、コネクタ、熱疲労、剥離、断線
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.コネクタの膨張・収縮による基板のパターン剥離詳細
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)