失敗事例

事例名称 複写機の帯電極ユニットが高電位となりLEDに放電した
代表図
事例概要 複写機で原稿読み取りユニットの露光ランプが消灯せず、原稿ガラスが破損し、温度ヒューズが切れる不具合が発生した。コロナ放電を行う帯電極ユニットのアースが不十分で、帯電極ユニットが高電位となり、近くのLEDに放電した。このため制御回路が誤動作し、露光ランプが消灯しなかった。そしてランプの熱で原稿ガラスが破損した。アース不十分の原因は、アースねじ部で3つの部品を共締めにしていたことが考えられる。対策として、アースねじ部は取付部分にインサート部品を使い、確実に締め付けるように変更するとともに、露光ランプが点灯しっぱなしでも、強制的に電源オフとなるように、ハードタイマーを回路に追加した。
事象 複写機で原稿読み取りユニットの露光ランプが消灯せず、原稿ガラスが破損し、温度ヒューズが切れる不具合が発生した。
経過 複写機を使っていたら、原稿読み取りユニットの露光ランプが点灯したままとなった。そのうちに原稿ガラスが破損し、最後に温度ヒューズが切れた。
原因 コロナ放電を行う帯電極ユニットのアース(図2のA点)が不十分で、帯電極ユニットが高電位となり、近くのLEDに放電した。このため制御回路が誤動作し、露光ランプが消灯しなかった。そしてランプの熱で原稿ガラスが破損した。アース不十分の原因は、アースねじ部で3つの部品を共締めにしていたことが考えられる。なお、原稿ガラスが割れる前に、温度フューズが溶断すべきであったが、電気部品の不良品混入で機能しなかった。
対策 アースねじ部は取付部分にインサート部品を使い、確実に締め付けるように変更するとともに、露光ランプが点灯しっぱなしでも、強制的に電源オフとなるように、ハードタイマーを回路に追加した。
知識化 高電圧ユニットのアース不良は、大きな不具合になるので、確実なアース対応が必要である。
背景 高電圧・高温度になる電気ユニットでは、制御が暴走したときのために、複数の保護手段を織り込む。つまり、(1)ソフトウエアによる保護、(2)ハードタイマーによる電源遮断、(3)温度ヒューズによる保護、など。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、仮想演習不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、アース、接点、ランプ、定常動作、誤動作、ガラス、高温、破壊、ヒューズ、品質不良、動作不能
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.帯電極ユニットでの不具合
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)