事例名称 |
取付穴の変形で偏芯回転体のカウンターウェイトが脱落した |
代表図 |
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事例概要 |
偏芯回転体に取り付けたカウンターウェイト(アンバランスを打ち消す部品)が脱落した。カウンターウェイトの材質は鉛で、偏芯軸フランジに直接ポルトで締結されていた。偏芯回転時の振動で、鉛が軟らかいため取付穴が変形しガタが発生し、このガタが回転で変形をさらに大きくし、最終的に締結ボルトが破損・脱落した。対策として、ウェイト材質を変形しにくい鋼のSS400に変更し、取付部をインロウにしてボルトに直接力が掛からない構造とした。また、ボルト取付部は回り止めワッシャーおよびネジロックをつけて締結した。 |
事象 |
偏芯回転体に取り付けたカウンターウェイトが脱落した。 |
経過 |
図2上のように、偏芯回転体の偏芯軸フランジ部にカウンターウェイトを取り付けた。装置を稼動していたら、突然カウンターウェイトの締結ボルトが脱落した。調査したところ、カウンターウェイトの取付穴が変形していた。 |
原因 |
偏芯回転時の振動で、カウンターウェイト(材質が鉛)が軟らかいため取付穴が変形しガタが発生し、このガタが回転で変形をさらに大きくし、最終的に締結ボルトが破損・脱落してしまった。 |
対策 |
カウンターウェイトの材質を変形しにくい鋼のSS400とし、図2下のように、取付部をインロウにしてボルトに直接力が掛からない構造とした。また、ボルト取付部は回り止めワッシャーおよびネジロックをつけて締結した。 |
知識化 |
繰り返し振動を受ける部品の取付部は、インロウなどのガタの出にくい構造とする。また、締結ボルトには、曲げが掛からないようにする。 |
背景 |
どうしても材質的に軟らかい部品を取り付ける必要がある場合は、締結部に力が集中して変形しないように、締結面積を増やす。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、仮想演習不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、カウンターウェイト、鉛、材料強度不足、繰返し応力、塑性変形、ボルト、ガタ、破断、脱落
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情報源 |
創造設計エンジンDB
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マルチメディアファイル |
図2.カウンターウェイト脱落対策
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分野 |
機械
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データ作成者 |
張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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