失敗事例

事例名称 車両走行荷重でブラケットの締結ボルトが弛んだ
代表図
事例概要 車両でブラケットを車体に固定しているボルトが弛んでいた。図2のように、ブラケットは配管をクランプしているが、このブラケットを1本のボルトで車体に締結していた。走行時、配管に矢印方向に荷重がかかり、この方向がボルトの弛み方向と一致したことが、弛む原因であった。対策として、ボルトの本数を2本として、モーメントに対抗できる構造にした。
事象 配管をクランプしているブラケットの車体への固定ボルトが弛んだ。
経過 車両を点検したところ、ブラケットを車体に固定しているボルトが弛んでいた。図2のように、配管をクランプするブラケットを1本のボルトで車体に締結していた。走行時には配管に矢印方向に荷重がかかっていることが判明した。
原因 図2のように、ブラケットは配管をクランプしているが、このブラケットを1本のボルトで車体に締結していた。走行時、配管に矢印方向に荷重がかかり、この方向がボルトの弛み方向と一致したためである。
対策 ボルトの本数を2本として、モーメントに対抗できる構造にした。
知識化 本事例のように、モーメントが働くと、どこかでそれを戻そうとする力が働き、結局、振動が発生し、ボルトは弛む。モーメントの発生箇所への対応が重要である。
背景 ブラケットやカバー、止め具、などを設計する時は、設計プロセスの終段であり、疲れた設計者は適当に対処することが多い。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、予期せぬ使用環境、ブラケット、計画・設計、計画不良、使用、運転・使用、機能不全、ハード不良、機械・装置、取付け部品、脱落
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.ブラケット締結ボルトの弛み
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)