失敗事例

事例名称 インサート樹脂のへたりで締結ボルトが弛んだ
代表図
事例概要 樹脂部品の締結ボルトが弛んでしまった。ボルト締結部に金属カラーを埋め込む構造にした。金属の回りに樹脂を鋳込むインサート成形時に、金属カラーの表面が樹脂で覆われてしまい、この部位のへたりでボルトの軸力が低下したことが原因であった。対策として、樹脂表面からの出代を確保するように寸法を変更した。
事象 樹脂部品でボルト締結部に金属カラーを埋め込む構造にしたにもかかわらず、締結ボルトが弛んだ。
経過 樹脂部品を締付けるため、図2(a)のように、ボルト締結部に金属カラーを埋め込む構造にした。にもかかわらず、締結ボルトが弛んでしまった。調査したところ、図2(a)のように、金属カラーの表面が樹脂で覆われていて、この部位がへたっていた。
原因 金属の回りに樹脂を鋳込むインサート成形時に、金属カラーの表面が樹脂で覆われてしまい、この部位のへたりでボルトの軸力が低下した。
対策 図2(b)のように、金属カラーの樹脂表面からの出代を確保するように寸法を変更した。
知識化 金属カラーの端面が確実に樹脂表面より高くなる図面指示が必要である。
背景 設計者は部品一つ一つの機能をよく理解して、製造や加工時にその機能が失われないように、気をつける。
シナリオ
主シナリオ 不注意、理解不足、生産組織の理解不足、生産工程の配慮不足、プラスチック、ボルト・ナット、計画・設計、流用設計、製作、ハード製作、製造工程、塗装、組立、機能不全、ハード不良、機械・装置、取付け部品、ガタ
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.樹脂部品のボルト締結のゆるみ(a)と対策(b)
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)