失敗事例

事例名称 光ファイバ母材の生成量が計測できなかった
代表図
事例発生場所 工場生産ライン
事例概要 光ファイバ母材の生成装置で、ターゲットを回転させながら、バーナを往復運動させて生成を開始したところ、主軸の支持部に設置された生成量計測用のロードセルの値が大きく変動し、生成量の計測ができなかった。主軸である中空回転軸の肉厚が均等でなく、回転時に生じるアンバランスが原因であった。中空回転軸を肉厚の均等なものに交換した。
事象 光ファイバ母材の生成量計測用ロードセルの値が大きく変動し、生成量が計測できなかった。
経過 光ファイバ母材は、図1のように、ターゲットと呼ばれるガラス棒の外周に、バーナでガラス微粒子を堆積させて作られる。光ファイバ母材の生成量は、ターゲットを支持する主軸の支持部に設置されたロードセルで計測される。ターゲットを回転させながら、バーナを往復運動させて生成を開始したところ、ロードセルの値が大きく変動し、生成量の計測ができなかった。
原因 主軸である中空回転軸の肉厚が均等でなく、回転時に生じるアンバランスが原因であった。
対策 中空回転軸を肉厚の均等なものに交換した。
知識化 アンバランスはわずかでも遠心力は大きくでてくる。たとえば1mmの回転半径の質点が1秒間に10回転回ると、0.36Gと大きい変動になる。偏荷重の遠心力分が変動成分であり、回転周期ごとに正弦波状の荷重波形が観察できる。
背景 回転する部品は、常にアンバランス量に注意する。
シナリオ
主シナリオ 不注意、注意・用心不足、企画者不注意、誤差設定不適、軸、製作、ハード製作、製造工程、品質不良、不良現象、機械現象、材料的要因、構造の問題、バランス
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図1.光ファイバ合成装置と主軸断面
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)