失敗事例

事例名称 シールリングの熱膨張でロッドの動きが悪くなった
代表図
事例概要 ロッドのシールリングとして、摩擦係数が小さく、気密性が高いテフロンを使った機械を稼動させたところ、しばらくして、ロッドの動きが悪くなった。低温時に加工されたテフロンが、油温の上昇で大きく熱膨張し、外径とのクリアランスが無くなったことが原因であった。
事象 テフロンのシールリングを使用したロッドの動きが悪くなった。
経過 ロッドのシールとして、摩擦係数を小さく、かつ気密性を保つため、テフロンのリングを使用した。機械を稼動させたところ、しばらくして、ロッドの動きが悪くなった。
原因 低温時に加工されたテフロンが、油温の上昇で大きく熱膨張し、外径とのクリアランスが無くなった。図2に、各種材料の線熱膨張係数を示す。有機材料の線膨張係数は金属に比べて、約1桁大きい。
知識化 テフロンのような線熱膨張係数が大きい材料を使うときは、シリカ粉末・ガラス繊維などを充填したり、補強材として樹脂に混合したりして、熱膨張係数を下げることができる。(ただし、摺動部の場合、シリカ粉末やガラス繊維との混合は、相手を摩耗させることがある)。その他、金属と樹脂の間に柔らかい緩衝層を入れたり、長さや厚さを小さくし寸法変化を小さくしたり、バカ穴を作るなどで、クリアランスを適切に保つことが重要である。
背景 本事例は、加工時の条件と使用時の条件が異なることで発生した不具合である。
シナリオ
主シナリオ 無知、知識不足、過去情報不足、教育・訓練不足、油圧シリンダ、ロッド、プラスチック、計画・設計、計画不良、使用、運転・使用、不良現象、熱流体現象、熱、熱膨張、機能不全、ハード不良、機械・装置、動作不能
情報源 伊藤公正、プラスチックハンドブック、工業調査会編、PAGE54
創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.各種材料の線熱膨張係数
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)