事例名称 |
加水分解でポリウレタン製のゴムローラが変質した |
代表図 |
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事例概要 |
高湿度の使用環境で、内部のポリウレタン製のゴムローラに斑点状のむくれが生じ、あめ状に溶け出していた。ゴムローラのポリウレタンはポリエステルタイプのウレタンであったので、ポリオールという吸水性の高い物質を含み、高湿度下で加水分解したことが原因であった。対策として、加水分解しにくいポリエーテルタイプのウレタンに材質を変更した。 |
事象 |
高湿度の使用環境で、内部のゴムローラにむくれが生じ、あめ状に溶け出していた。 |
経過 |
機器を使用していたところ、内部のゴムローラに斑点状のむくれが生じ、あめ状に溶け出していた。機器の使用環境は高湿度であった。ゴムローラの材質はポリエステルタイプのポリウレタンであった。 |
原因 |
ゴムローラのポリウレタンはポリエステルタイプのウレタンであったので、ポリオールという吸水性の高い物質を含み、高湿度下で加水分解した。 |
対策 |
加水分解しにくいポリエーテルタイプのウレタンに材質を変更した。 |
知識化 |
ポリウレタンといっても、ポリエステルタイプとポリエーテルタイプがある。ポリエーテルタイプのウレタンは、ポリエステルタイプに比べ、加水分解しにくいので、物性の低下が比較的少ない。図2は、高湿度下で両タイプの硬さ変化を比較したものである。 |
背景 |
電気絶縁やパッキン用として各種材料があるが、図3にそれらの耐水性試験結果を示す。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、予期せぬ使用環境、ポリウレタン、ロール、計画・設計、計画不良、使用、運転・使用、不良現象、化学現象、物質間反応、破損、破壊・損傷、水の浸入、腐食
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情報源 |
W.H.Mcsheehy 他、Insulation/Circuit、Sept.1976、PAGE33-36
創造設計エンジンDB
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マルチメディアファイル |
図2.ウレタンの加水分解特性
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図3.ゴムパッキン材料の耐水性
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分野 |
機械
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データ作成者 |
張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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