失敗事例

事例名称 電子機器が動作不良となった
代表図
事例概要 強い振動環境のもとで、電子機器を稼動していたところ、突然動作不良を起こした。トランジスタのキャップを封止する際に発生した封止スパッタ(ニッケル微粒子の異物)が、キャップ内に閉じ込められ、このスパッタが、振動で移動し、ボンディングワイヤとストライプエリア間をショートさせたためであった。対策として、キャップ封止部のステムへの接触面を広くし、封止スパッタが発生しない構造に変更した。
事象 強い振動環境下で稼動の電子機器が突然動作不良となった。
経過 強い振動環境のもとで、電子機器を稼動していたところ、突然動作不良となった。調査したところ、図1のように、トランジスタのショート不良が発見された。
原因 トランジスタのキャップを封止する際に発生した封止スパッタ(ニッケル微粒子の異物)が、キャップ内に閉じ込められ、このスパッタが、振動で移動し、図1のように、ボンディングワイヤとストライプエリア間をショートさせた。
対策 キャップ封止部のステムへの接触面を広くし、封止スパッタが発生しない構造に変更した。
知識化 気密封止内部の導電性異物は、強い振動環境下では動き出し、半導体素子の露出している金属間でショート不良を起こさせる恐れがある。導電性異物の混入を防止することが大切である。なお、中空部品の異物の有無を確認するテストとして、微粒子衝撃雑音検出テスト(PINDテスト:Particle Noise Detection Test) がある。
シナリオ
主シナリオ 不注意、理解不足、生産工程の配慮不足、不注意、注意・用心不足、組立作業、電子機器、計画・設計、流用設計、製作、ハード製作、組立、使用、運転・使用、不良現象、電気故障、電気接点、短絡、機能不全、ハード不良、機械・装置、動作不能
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図1.異物によるショート
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)