失敗事例

事例名称 高速コンピュータで誤動作が多発した
代表図
事例概要 汎用LSIを使用した高速コンピュータの機能試験を実施したところ、誤動作が多発した。図1のように、メモリアクセスコントローラのアドレスストローブ信号のディレイ(遅れ)が、規定された範囲から逸脱して小さいことが原因であった。対処として、アドレスストローブ信号のディレイが規定値内のLSIに変更した。最終的には、メモリアクセスコントローラLSIの部品受け入れ検査を、MAX(最大)ディレイのみでなくMIN(最小)ディレイも試験に追加した。
事象 高速コンピュータの機能試験で誤動作が多発した。
経過 汎用LSIを使用した高速コンピュータの機能試験を実施したところ、誤動作が多発した。メモリアクセスコントローラLSIの部品受け入れ検査では、MAX(最大)ディレイのみの試験であった。
原因 図1のように、メモリアクセスコントローラのアドレスストローブ信号のディレイ(遅れ)が、規定された範囲から逸脱して小さかった。
対処 アドレスストローブ信号のディレイが規定値内のLSIに変更した。
対策 メモリアクセスコントローラLSIの部品受け入れ検査を、MAX(最大)ディレイのみでなくMIN(最小)ディレイも試験に追加した。
知識化 高速なコンピュータは、構成する部品の動作速度の確認が大切である。数十~数百MHzのクロックで動作させる場合、部品の動作速度のばらつきをチェックする。なおストローブ(Strobing)とは、相対的に短い持続時間を持つ1番目のパルスが、比較的長い持続時間を持つ2番目のパルスに作用して、1番目のパルスが持続している間に、2番目のパルスの大きさを示す(多くは比例する)信号を得る過程をいう。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、自作・購入の誤判断、電子機器、試験、定常操作、手順不遵守、不良現象、電気故障、特性、出力特性、定常動作、誤動作
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図1.アドレスストローブ信号のディレイ値
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)