失敗事例

事例名称 高等学校で体育館の屋根全体が崩壊
代表図
事例発生日付 2000年10月06日
事例発生地 米国オハイオ州クリーブランド市
事例発生場所 高等学校にある体育館の屋根が崩壊した。
事例概要 高等学校にある体育館の屋根全体が崩壊した。
事象 East High School にある体育館の屋根全体が体育館の内部に落ち込んだ。壁は全く崩れなかった。
経過 事故の 2 週間前に築 25 年の体育館天井の桟に亀裂が確認されたため、体育館は立入禁止とされた。事故当日の 12:00 頃、立入禁止に反して教師と学生が体育館の地下にあるランニングトラックを使用していると、大きな音と共に、屋根の一端が崩れ落ち、連鎖して屋根全体が畳み掛けるように崩れた。四方の壁は全く崩れなかった。
原因 1987 年に亀裂を修復・補強された 3 つの長さ 66 フィート、幅 14.5 インチの積層材製の梁の内、1 つが曲がるようにして折れたため、屋根が崩れた。事故 2 日前から暴風雨が発生しており、屋根には水が溜まっていたが、重みは冬場の雪ほどではなく、原因かどうかは不明。
対処 午後から学校を閉鎖した。850 人の学生は事故から一週間、自宅待機となり、一週間後から 10 月 29 日まで、教会や劇場まで 5 個所で臨時の授業を受けた。学校で授業を再開するため、約 $500000 をかけて体育館を応急的に修復した。原因究明のため、折れた梁を素材試験場に送った。
対策 クリーブランド市内の 121 の学校で校舎や建物の検査が行われ、危険が確認された 6 つの建物が修復が完了するまで立入禁止となった。
背景 体育館は 136 平方フィートの正方形の四隅を落とした、8 角形の建物で、接着合板製の屋根の骨組みには、幅 14.5 インチ、深さ 64 インチから 83 インチの 8 つの梁が使用されていた。切り落とされた正方形の四隅には、81 平方フィートの正方形を模る 4 つの梁と対角線上に 1 つの梁が使用され、斜材と隣接することにより、重力が梁 - 81 平方フィートの正方形 - 斜材 - 柱に逃げるように設計されていた。1987 年、梁にテンションロッドを導入して 81 平方フィートの正方形部を強化し、斜材と壁の間に鋼トラス製の対傾フレームが追加された。
後日談 学校によっては、1890 年代に建設されたものもあり、全施設及び校舎を完全に修繕するには、15 億ドル必要である。負傷した学生の 1 人S君と母親CさんがCleveland Board of Education and the Cleveland Municipal School District に対し過失を理由に起訴した。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、環境調査不足、安全対策不足、調査・検討の不足、仮想演習不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、材料強度不足、破断、物質疲労、割れ発生・成長、過負荷、応力集中、機械的連鎖反応
情報源 http://www.cnn.com/2000/US/10/06/school.collapse.01/
http://www.dominionpost.com/a/news/2000/10/07/aj/
http://www.enr.com/news/n102300c.asp
http://www.catalyst-cleveland.org/10-00/happening.htm
http://www.wcpn.org/spotlight/news/1017oldschools.html
死者数 0
負傷者数 5
物的被害 体育館が崩壊した。
被害金額 $500000
備考 被害金額は応急処置のみの金額。実際の修理費は不明。立入禁止であった体育館に教師と学生がいた理由は不明。
分野 機械
データ作成者 ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)