失敗事例

事例名称 歩道橋が崩れ落ち100人以上が負傷。
代表図
事例発生日付 2000年05月21日
事例発生地 アメリカ、テネシー州
事例発生場所 ロウズ・モーター高速競技場
事例概要 テネシー州に位置するロウズ・モーター高速競技場の駐車場とレース場とをつなぐ歩道橋がハイウェイに崩れ落ち、100人以上が負傷する事故が起きた。原因は橋の重量を支えている中心的な構造部分の腐食による。
事象 テネシー州に位置するロウズ・モーター高速競技場のレース場と駐車場とをつなぐ歩道橋が、その下を通っているハイウェイに崩れ落ち、107人が負傷する事故が起きた。負傷した107人のうち、53人が入院し、5人が重傷を負った。事故当時、幸いハイウェイに車は走っていなかった。
経過 歩道橋は、ウィンストンNASCARレースを見物し終えた18万人のファンが帰り始めた午後11時頃ひずみ始め、ちょうど中央から半分に折れたような状態でハイウェイ29号線に崩れた。この事故により107人が負傷、うち5人が重傷、少なくとも91人が病院に運ばれた。この橋は、長さ400フィートで競技場と4車線の公道をはさんだ駐車場とをつないでいる。5年前に建設されたばかりだった。
原因 橋梁診断の専門家が、橋にかかる重圧を中心的に支えるコンクリートで覆われたスチール棒が腐食しているのを崩れた歩道橋から発見。原因は橋の重量を支えている中心的な構造部分の腐食による可能性が高い。この歩道橋はロウズ・モーターが所有しているため、州による橋の調査は建設以来一度も行われていなかった。
対策 州は、歩道橋の調査を最低2年に1回行うことを奨励している。
知識化 歩道橋のようなちいさな建築物でも、厳重な保守点検が必要。
背景 不明。
よもやま話 この競技場では、当事故の約1年前の1999年5月1日に行われたインディカーレースで、レースに出場していた車のタイヤが観客席に飛んできて、観客3人が死亡している。
データベース登録の
動機
安全性を追求するために建設されている歩道橋の事故を知らせるため。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、安全対策不足、調査・検討の不足、仮想演習不足、組織運営不良、管理不良、応力腐食、割れ発生・成長、破断、コンクリートと鉄筋
情報源 http://www.cnn.com/2000/US/05/21/walkway.collapse.07/
http://sportsillustrated.cnn.com/motorsports/news/2000/05/21
/walkway_accident/
死者数 0
負傷者数 107
物的被害 清掃費用およそ100万ドル
分野 機械
データ作成者 ユリエローディ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)