失敗事例

事例名称 自動販売機の下敷きになり男子学生が窒息死。
代表図
事例発生日付 1998年12月13日
事例発生地 カナダ、ケベック市レノキスビル
事例発生場所 V大学
事例概要 カナダのケベック郊外にある大学内で、在学していた19歳の男子学生がCの自動販売機の下敷きなって死亡しているのが発見された。死亡した学生は、フリードリンクを出そうとして自動販売機を揺さぶっていて事故にあった可能性が高い。
事象 カナダのケベック郊外にあるV大学内で、在学していたカナダ人の19歳の男子学生、Kさんが、C社の自動販売機の下敷きなって死亡しているのが発見された。
経過 Kさんは、学期末試験終了後、友人とともに午前4時頃まで試験終了を学内で祝い、その翌日の午前10時頃、自動販売機の下敷きなって倒れているのを他の学生が発見。自動販売機から無料でドリンクを出そうとして、機械を揺さぶったところ、機械の下敷きになって窒息死した可能性が疑われている。Kさんの血液からは、法律で定められている運転制限値より少し高いアルコールが検出された。自動販売機は、大学の寮の1階にビーバー食品会社が設置していた。自動販売機の周辺には、過去に揺さぶられた経緯があることを示すプラスターのかけらが発見されているが、事故があった900パウンドの自動販売機には何の安全対策も施されていなかった。
原因 過去に学生が機械を揺すっているのを大学内で働いている用務員が目撃しているなど、学生が自動販売機を揺すぶるのは、大学内で頻繁に行われており、Kさんも無料でソーダを出そうとして、自動販売機を揺すっていて機械の下敷きになった可能性が疑われている。
対策 当事故後、カナダのC社の自動販売機には、機械を動かしたり、揺さぶると死亡事故につながる可能性の注意書きが貼られるようになった。また、C社は、自動販売機の新しい生産モデルに防犯装置の設置を導入した。
知識化 事故が起きた原因を追求して、十分な安全対策を施さないと、同じ事故が繰り返される。
背景 プラスターのかけら、過去に学生が機械を揺さぶっていたことなどが発見されていることから、当事故は予見できた可能性が高い。
後日談 その後、Kさんの遺族が、自動販売機の安全対策を怠ったとして、B食品会社ら関連会社2社、C社、V大学を相手取って66万ドルの損害賠償を求めて提訴した。(2001年7月記事より)
よもやま話 過去20年において、自動販売機の転倒事故により、米国内で最低35人が死亡、140人が負傷している。
データベース登録の
動機
日常頻繁に使用している自動販売機で起きた死亡事故を紹介したかった。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、環境調査不足、安全対策不足、不注意、注意・用心不足、取り扱い不適、調査・検討の不足、事前検討不足、予期せぬ使用環境、不安定、構造の問題
情報源 http://www.cokemachineaccidents.com/Facts/index.html
http://www.digitalcarrion.com/news.html
死者数 1
負傷者数 0
全経済損失 Kさんの遺族が、ビーバー食品会社などの関連会社2社、C社、ビショップ大学を相手取って、66万ドルの損害賠償を求めて提訴した。
社会への影響 Kさん遺族は、自ら当事故に関するホームページを開設して、Cの自動販売機に安全対策を施すよう呼びかけている。
分野 機械
データ作成者 ユリエローディ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)