失敗事例

事例名称 2001年上半期A自動車会社のBモデルとタイヤのリコール
代表図
事例発生日付 2001年
事例発生地 全世界
事例概要 自動車メーカーのA社は、2001年上半期(1月12日から6月29日間)にスペインのバレンシア工場で製造されたBモデル、およそ78,500車を世界的な規模でリコールした。今回のこのモデルのリコールの原因は、ブレーキ・ホースの留め金の部分が緩み、ブレーキオイルの漏出につながる懸念があるとし、リコールされている。又、2000年、2001年のA社のFモデル車とGモデル車に取りつけられた、C社のタイヤ、約500,000本以上のタイヤが米国内でリコールされている。今回のタイヤのリコールの原因は、A社のFモデル車とGモデル車に取りつけられた、C社のタイヤの繊条が異常に消耗しているとされ、今回のリコールとなった。
事象 自動車メーカーのA社は、2001年上半期(1月12日から6月29日間)にスペインのバレンシア工場で製造されたBモデル、およそ78,500車を世界的な規模でリコールした。又、2000年と2001年のA社のFモデル車とGモデル車に取りつけられた、C社のタイヤ、約500,000本以上のタイヤが米国内でリコールされている。
経過 今回のタイヤのリコールは、4月に個人事故や不動産損害のクレームが増加、これに対応する為、A社とC社両社が、クレームに対し捜査を行った。その翌月、米国でA社製Fモデル車(C社のDタイプのタイヤ使用)が、回転事故を起こし、6名が死亡。その事故時点の見解で、A社は、車のデザインに特に問題があるというとこは表明されていないと述べていた。又、C社では、EタイプとDタイプタイヤにおいて、振動やノイズが発生しているのと、タイヤが不規則に消耗していると告げていた。両社の捜査後、2000年と2001年にタイヤの取りつけられた、A社のFモデル車とGモデル車に対してリコールされた。
原因 今回のBモデルのリコールの原因は、ブレーキ・ホースの留め金の部分が緩み、ブレーキオイルの漏出につながる懸念があるとし、リコールされている。又、タイヤのリコールの原因は、A社のFモデル車とGモデル車に取りつけられた、C社のタイヤの繊条が異常に消耗しているとされ、今回のリコールとなった。
対処 Bモデル車は、リコール後、問題のあるブレーキ・システムの修理が行われた。タイヤに関しては、A社で自発的にEモデル社に使用されているタイヤ、およそ13,000,000本のタイヤが交換された。
対策 ブレーキ部分は、車の中でも大変重要な部分である為、ブレーキのホースの留め金の取りつけられが不充分に行われたのか、又、留め金自体のデザインに欠陥があるのか、A社で検討される必要があると思う。又、リコールの対象となったタイヤの繊条の異常消耗がどのようにして起こったのか、タイヤ会社での分析が必要と思われる。
知識化 今回のBモデルのリコールは、作業不充分によりうた行われたのか、又、もともとのデザイインに問題があったのか、判明していない為、この解明をする必要があると思われる。作業が不充分であった場合は、その作業標準の見なおし、デザインの問題であれば、最善のものを選別するための分析が必要とおもわれる。又、タイヤのリコールは、両社において捜査が始まった翌月に、6名が死亡している為(事故の直接原因は不明であるが)、不良の早期発見、対策が迅速に行われる様なシステムが必要である。
背景 今回のタイヤのリコールは、4月に個人事故や不動産損害のクレームが増加し、これに対応する為、A社とC社両社が、クレームに対し捜査を行っていた。その翌月、米国でA社・Fモデル車(C社製Dタイプタイヤ使用)車が、回転事故を起こし、6名が死亡。
後日談 【追補;2010年3月】
この事故を契機とし、米国高速道路交通安全局は自動車メーカーに対し、2003年11月以降に生産する車への空気圧モニター装置(Tire Pressure Monitoring System)の設置義務付けが始まった.。欧州では2012年を目処に義務付ける方針である。国際基準化の動きもあり日本では2009年より義務化の検討が始まった。安全面だけでなく燃費面などの費用対効果も含めた検証が目標となっている。
よもやま話 【追補;2010年3月】
製造側からの視点で見るとこの事例はアメリカで親会社と子会社が責任の所在を巡って激しい争いを演じたものである。親会社であるB社は責任の所在割合と費用負担を一切認めようとしなかった。日本での親会社と子会社の関係ではあまり発生しない。お互い切っても切れない協力関係でつながっているからである。ただしこれは日本国内に限られているものと考えるべきである。日本から海外に進出する企業はこういった考え方の違いも予めリスク管理に含めておく必要がある。
データベース登録の
動機
車の事故は、大きな社会問題である為、どのようなリコールが出ていたのか興味があった。
シナリオ
主シナリオ 不注意、注意・用心不足、企画者不注意、計算間違い、計画・設計、計画不良、機能不全、ハード不良、機械・装置、取付け部品、欠陥、二次災害、損壊、漏洩、不良現象、機械現象、相互運動部、摩擦、タイヤ
情報源 http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/2205206.stm
http://www.accidentreconstruction.com/news/aug02/082002a.asp
http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/2204508.stm
全経済損失 タイヤ・リコールによるコスト、約$20,000,000
分野 機械
データ作成者 ヤエココン (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)