| 事例名称 |
コンピュータエラーにより大学入試結果に誤り |
| 代表図 |
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| 事例発生日付 |
2002年08月 |
| 事例発生地 |
スコットランド |
| 事例発生場所 |
スコットランド教育関連機関のコンピュータ |
| 事例概要 |
コンピュータのソフトウェア書き換え時の誤操作により、大学入学試験の結果のデータに誤りが生じ、誤った成績が本人や大学などに送付された。これにより、大学へ進む資格を与えられるべき学生が、大学に進学できなくなるという問題が生じた。 |
| 事象 |
6月13日に実施された高校卒業生の試験の結果が8月に送付されたが、データに誤りがあり、誤った成績やデータが大学や本人にも送付された。その結果、大学へ入学できる成績を得ていない者が入学資格を得たり、優秀なものが入学できなかったりという現象が起きた。 |
| 経過 |
約百万人が進学などのための試験を受けた。そのテストを採点者に送付する際に、まず問題が発生。大学入学サービスの事務所（大学入学試験サービスＡ)が成績をコンピュータにデータとして入力するが、その事前にソフトウエアが書き換えられ、更新されている。その時のエラーにより、誤った成績やデータがSQA（Scottish Qualification Authorityスコットランド資格認可局）から8月13日に配布され、それを受け取った人々はデータのエラーを発見。誤ったエラーはすでに大学などにも送付されており、資格の無い者に入学許可通知などが送られていた。約1000人の生徒が実際より良い成績が与えられていた。大学入学試験サービスＡは正しいデータを8月13日に再送した。しかしその後も再送された成績にあやまりがあるといわれている。 |
| 原因 |
大学入学試験サービスＡでは、毎年試験の変更などに応じてソフトウェアを書き換えたり、更新している。その際に問題が発生したものと思われる。 |
| 対処 |
正しいデータをその日の内に再送しようと試みた。受験者に謝罪の手紙が送付された。誤って合格通知を受け取ってしまった者に対して、その合格通知を認めると発表。学校によっては状況判断するところもあった。 |
| 対策 |
なぜこのような失敗が生じたのかを調査。 |
| 知識化 |
失敗を誤った方面から解決しようとしたり、近道をしようとすると、失敗が再発する。正しい管理が行われていないと、問題がおおきくなる。 |
| 背景 |
スコットランドでは、高校を卒業する生徒たちが試験を受け、それを採点し大学などに情報が送付され、入学許可証などを本人に送付するのがSQA(Scottish Qualification Authorityスコットランド資格認可局)である。2000年、2001年にも問題が生じていた。今年の試験も、6月には採点者にテストが届いていないなどという問題が生じて、期限どおりに成績結果、大学入学許可などが配布されるかどうかが心配されていた。採点プロセスは、今年から新しい業者が担当している。 |
| 後日談 |
最初に送付された成績結果で合格とした者は、そのまま合格を認めたが、その反面最初のデータでは希望の大学に進めなかった学生が、後に修正された成績を受け取り、その成績では充分に希望の大学へ進めたが、その時点ではすでに大学はスペースが無く、一年間待たなければならないことになった。 |
| よもやま話 |
2002年にもSQAのデータにエラーがあって問題が生じた。結果の発表の当日に突然結果を報告できないという連絡があり、その後も学校のデータと送られたデータに矛盾があったり、生徒に送付された証書と学校に送付されたデータに矛盾があった。また、別の学校の生徒のデータが送られてきたり、SQAに送付したはずのデータが紛失されていた。 |
| 当事者ヒアリング |
文部大臣Bが批判されたが、彼女は、「正しい対応を行ったし、現在もこの問題に対して迅速に正しく対応している」と反論した。 |
データベース登録の
動機 |
失敗の再発を防げずに、失敗が再度起こったという代表的な例であると思った。 |
| シナリオ |
| 主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、企画者不注意、企画不良、戦略・企画不良、非定常行為、変更、製作、ソフト製作、テスト不足・バグ、精神的被害、精神的損傷、組織の損失、社会的損失
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| 情報源 |
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/scotland/2192433.stm
http://news.bbc.co.uk/1/hi/education/2329133.stm
http://news.bbc.co.uk/1/hi/education/2329133.stm
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| 死者数 |
0 |
| 負傷者数 |
0 |
| 物的被害 |
なし。 |
| 全経済損失 |
金額は不明であるが、データの再送や成績プロセスのやり直しなどにかかった費用や人件費。このエラーのために大学へ進めなかった家族からの訴訟の費用。 |
| 社会への影響 |
約千名の学生の結果にエラーが生じた。希望の大学へ入るために一生懸命勉強してきた学生が、得るべき成績が与えられず、自尊心、自信を失った。大学に進学すべき者が進学できず、人生の計画が狂ってしまった。また、この教育制度に疑問をもつ人々が急増した。 |
| 分野 |
機械
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| データ作成者 |
タカミハマダニ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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