事例名称 |
エネルギー省の研究所で回転している羽軸に巻き込まれ従業員が重傷 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1994年03月26日 |
事例発生地 |
アメリカ、アイオワ州エイメス |
事例発生場所 |
大学内研究所 |
事例概要 |
アイオワ大学にあるアメリカエネルギー省エイメス研究所の設備室で、従業員が煙感知器の数値を計っている途中、大型ファンの羽軸に巻き込まれて重症を負った。スイッチを切ったので、ファンは止まっていたが、羽軸は依然回転していたためにシャツがからまり、巻き込み防護スクリーンがあったにも関らず、ひきずり込まれている。緊急に医療センターへ運ばれ手当てを受けたが、危険な状態であった。 |
事象 |
1998年、アイオワ大学内にあるアメリカエネルギー省エイメス研究所の地下にある設備室で、電気サービス部門の従業員が、大型ファンのすぐ近くで煙感知器の数値を計っている際、ファンのスイッチを切ったにも関らず、突き出ている羽軸だけは依然回転しており、そこにシャツの袖がからまった。ファンには巻き込まれ防止スクリーンがしてあるにも関らず、従業員は、腕を振り回され、ひきずり込まれ、重傷を負った。緊急で病院に運ばれたが、危険な状態であった。 |
経過 |
1998年3月27日、午後2時35分アイオワ大学内にあるアメリカエネルギー省エイメス研究所にて、電気サービス管理者であるA氏56歳が、同僚と共に地下にある設備室で、ビルの換気装置へ空気を供給する直径5フィートの大型ファンの近くで、煙感知器の数値を計っていた。ファンはコントロールパネルによって止められていたが、ファンから突き出ている羽軸は、依然回転していたため、シャツの袖がからまった。ファンには、刃への巻き込みを防ぐ防護スクリーンがしてあったが、腕を振り回され、引きずり込まれ、重症を負った。午後3時10分、救急車にてエイメス空港へ、救急ヘリコプターにてメルシー医療センターへと運ばれた。病院は、詳しい状態は公表しないが、傷は広い範囲におよび、特に腕がひどく、危険な状態であったという。 |
原因 |
コントロールパネルのスイッチを切ったので、大型ファンは止まっていたが、何故だか突き出ている羽軸が依然動いていた事が巻き込みのきっかけである。また、刃への巻き込みを防ぐ防護スクリーンが、実際は役に立たたなかった事が、事故を更に深刻なものにしている。研究所のこれらの設備点検の不慮が原因である。 |
対処 |
一緒にいた同僚は、直ちに救急隊員へ知らせた。駆け付けた救急隊員と共にファンにからまり重症を負った従業員を助けだし、応急処置を行った。救急車でエイメス空港へ、救急ヘリコプターにてメルシー医療センターへ運ばれ、手当てを受けたが、危険な状態であった。 |
対策 |
二度とこのような事故がおきないよう、エネルギー省の指示により、直ちに事故の原因追求が行われると共に、エイメス研究所のあらゆる場所、エネルギー源から高速コンピューターデザイン等の設備の安全点検が行われた。また、清掃と修復があらゆる場所、部位に関して徹底的に行われた。 |
知識化 |
研究所での事故が多発している。危険物を扱う研究所では、薬品類はもちろん、設備や器具等、細心の安全点検・メンテナンスが必要である。 |
背景 |
エイメス研究所は、1996年に電気チューブによる爆発事故を起こしている。 |
後日談 |
重傷を負ったA氏の救済基金が設立された。 |
よもやま話 |
A氏は、30年以上もエイメス研究所に勤務していた。 |
シナリオ |
主シナリオ
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価値観不良、安全意識不良、安全対策不足、不注意、注意・用心不足、取り扱い不適、不良現象、電気故障、機能不全、ハード不良、機械・装置、定常動作、誤動作、身体的被害、負傷
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情報源 |
http://www.ameslab.gov/News/release/1998rel/98injuryupdate.html
http://www.jlab.org/intralab/emergency/lessons/external/3-31-98_external.html
http://www.ameslab.gov/News/headlines/trib-injuryupdate.html
http://www.ameslab.gov/News/headlines/trib-injurycrit.html
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
1 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
マユミビンクス (SYDROSE LP)
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