失敗事例

事例名称 複写機の連続過剰コピーでDC電源がダウンした
代表図
事例概要 複写機の連続コピーで、DC電源がダウンする不具合が報告された。品質保証範囲(コピー枚数1万枚/日)を超えるヘビーユーザで、17時間/日以上ほぼ停止することなく連続コピーしており、このため、電源の温度上昇プロテクト回路が作動してしまった。温度上昇しても電源自体の余裕があったため、当該機の回路定数を変更し、停止温度を数℃上げた。また、新機種には図2のように、電源ファンを追加した。
事象 複写機の連続コピーで、DC電源がダウンする不具合が報告された。
経過 複写機の連続コピーで、DC電源がダウンする不具合が報告された。ユーザを調査したところ、品質保証範囲(コピー枚数1万枚/日)を超えるヘビーユーザであった。17時間/日以上ほぼ停止することなく連続コピーしており、このため、電源の温度上昇プロテクト回路が作動していたことが判明した。プロテクト回路の作動温度が100℃に対し、温度検出素子はばらつきの下限である95℃で作動していた。
原因 品質保証範囲(コピー枚数1万枚/日)を超えるヘビーユーザで、17時間/日以上ほぼ停止することなく連続コピーしており、このため、電源の温度上昇プロテクト回路が作動した。
対処 温度上昇しても電源自体の余裕があったため、当該機の回路定数を変更し、停止温度を数℃上げた。
対策 図2のように、電源ファンを追加した。
知識化 ユーザの使い方を勝手に設計者が判断すべきでない。使い方はユーザが決めるものである。設計の余裕度は、機械の性能の最大負荷条件に対して見込むべきである。
背景 本事例では、開発途中に実施した安全規格の温度上昇テストでも停止していた。試験条件が過酷すぎると勝手に判断し、対策しなかったことも今回の不具合の要因である。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、予期せぬ使用環境、紙、電子機器、計画・設計、流用設計、使用、運転・使用、試験、不良現象、電気故障、回路、電源、不良現象、熱流体現象、熱、発熱、高温
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.新機種の電源
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)