失敗事例

事例名称 電気メッキをした高強度ボルトが水素脆化で破損した
代表図
事例概要 防錆と高軸力のため、電気メッキをした高強度ボルトを使用していたが、このボルトが破損した。ボルトの製造工程で、電気メッキ後の脱水素処理を忘れていた。そのため、鋼が水素を吸蔵して脆化してしまった。電気メッキ実施後は、すみやかに表1のベーキングを行い、水素脆性を除去した。
事象 電気メッキをした高強度ボルトが破損した。
経過 防錆と高軸力が必要なので、電気メッキをした高強度ボルトを使用していたが、このボルトが破損した。ボルトの製造工程を調査したところ、電気メッキ後の脱水素処理を忘れていた。
原因 ボルトの製造工程で、電気メッキ後の脱水素処理を忘れていた。そのため、鋼が水素を吸蔵して脆化してしまった。
対策 電気メッキ実施後は、すみやかに表1のベーキングを行い、水素脆性を除去した。
知識化 鋼は水素を吸蔵すると脆化する性質を持つ。水素吸蔵に起因する鋼の割れを、水素脆性による遅れ破壊という。
背景 一般に遅れ破壊は、高強度材料、高応力、拡散性水素の存在が、発生条件と言われている。
シナリオ
主シナリオ 不注意、理解不足、生産組織の理解不足、生産工程の配慮不足、鋼材、水素、ボルト・ナット、製作、ハード製作、製造工程、表面処理、メッキ、定常操作、手順不遵守、ベーキング、不良現象、機械現象、異物混入・混在、破損、劣化、脆性
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 表1.水素脆性除去処理条件
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)