事例名称 |
炭酸ガス容器の内部腐食によるガス噴出・飛翔 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2002年07月 |
事例発生地 |
北海道 |
機器 |
炭酸ガス容器 |
事例概要 |
酒類納入業者が消費先のスナックを訪れたところ、液化炭酸ガス容器(容量6.7リットル、外径137.4mm、全長580mm、厚さ3.0mm、材質Mn鋼)が破裂しているのを発見した。ガスの噴出によって容器が飛翔し店内の壁等が破損していたが、夜間無人であったのでけが人はなかった。 |
事象 |
調査の結果、亀裂発生位置は容器底部から85mmの位置で円周方向に長い楕円形亀裂(幅18mm×長さ55mmの片側開き)が入っている。この位置は容器バルブに取付けられたフロートの先端部に該当し、容器内部底部に向かって全面腐食減肉している。亀裂発生点の残肉厚は約0.6mmで鉄さびの残渣物が堆積・付着している。また容器バルブは閉じられており、同バルブに取付けられた安全弁は作動していなかった。液化炭酸ガス容器が空になった時に速やかに容器バルブを閉めなかったため、容器内に水分が浸入・堆積(約1リットル)し、これに気付かずに液化炭酸ガスを充填したため、酸性の炭酸水を生じ腐食が進行し破裂に至ったものと思われる。当該容器の最近の再検査は2.7年前に行い合格している。(腐食速度:0.26mm/年) |
原因 |
劣化(腐食) |
対策 |
・消費者に容器が空になった時、速やかに容器バルブを閉めるように啓蒙する。 ・ガス充填者に対し、空容器質量、充填後の質量測定を行い水分の確認を徹底する。 ・容器に逆止機能付バルブを採用し、空容器に水分が入ることを防止する。 |
知識化 |
ガス容器の腐食 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、作業者不注意、使用、運転・使用、機器・物質の使用、炭酸ガス容器、残圧、水分浸入、使用、運転・使用、機器・物質の使用、液化炭酸ガス充填、破損、減肉、腐食・酸化、破損、大規模破損、破裂
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情報源 |
高圧ガス保安協会
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
0 |
物的被害 |
不明 |
被害金額 |
不明 |
全経済損失 |
不明 |
備考 |
破損解析 |
分野 |
材料
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データ作成者 |
小林 英男 (東京工業大学)
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