失敗事例

事例名称 玉掛ワイヤロープが切断
代表図
事例発生場所 機械部品製造
機器 玉掛け用ワイヤロープ
事例概要 質量250kg,長さ6mの鋼板10枚を目通し1本吊りして玉掛用ワイヤロープが切断
事象 機械部品製造工場において,つり上げ荷重2.8tの床上操作式門型クレーンで,鋼板(厚さ:50mm,幅:100mm,長さ:6m)10本(質量合計:2.5t)の束を玉掛用ワイヤロープ(6×24,10mm,長さ:3m)で目通し1本吊りにして1m程吊上げた.重心がずれていたため荷が傾いたので,被災者は荷の一方を抑え,ペンダントスイッチを同僚にわたして操作をさせた.その時,玉掛用ワイヤロープが中央付近で切断して荷が落下した.
原因 2.5tもある荷を1本吊りで作業したこと.また,10mmのワイヤロープの破断荷重は約4.6tで,安全係数の余裕が非常に低いため,目通し吊りや1本吊り等による強度低下の影響を吸収できなかったことである.
対策 玉掛け用具の安全係数を守らせること
背景 被災者及び同僚は二人とも運転資格,玉掛資格を所持していなかった
シナリオ
主シナリオ 価値観不良、安全意識不良、安全教育・訓練不足、玉掛け技能講習未済、無知、知識不足、勉学不足、安全係数に関する知識不足、使用、運転・使用、過負荷、劣化したワイヤロープを使用、破損、破壊・損傷、破壊・破断、玉掛けワイヤロープの切断、つり荷の落下、身体的被害、死亡、事故死、落下した荷に激突され
情報源 安全衛生情報センター
死者数 1
分野 材料
データ作成者 河島 邦寿 (元(社)日本クレーン協会)
小林 英男 (東京工業大学)