| 事例名称 | 電動チェーンブロック用つりチェーンの破断事故 | 
  | 代表図 |   | 
  
    | 事例発生日付 | 2000年 | 
  
    | 事例発生地 | 日本 | 
  
    | 事例発生場所 | 屑ガラス再生工場 | 
  
    | 機器 | テルハ(定格荷重:2トン)の電動チェーンブロック(テルハとは,工場や倉庫などの固定構造物に取り付けた軌道に沿って,トロリが移動するクレーンで,電気ホイストや電動チェーンブロックを吊り下げた構造である。) | 
  
    | 事例概要 | テルハの巻上げ装置である電動チェーンブロックの巻過防止装置用緩衝スプリングを取り外し,常に巻過ぎ状態(吊上げ作業のたびに,フックの上面と巻上げ機構の下面が当る状態)で作業を行っていたため,チェーンが疲労破壊して切断しつり荷が落下した事故. | 
  
    | 事象 | ブラウン管の破砕ガラス屑のカーボン被膜を,高温の苛性ソーダ液の洗浄槽につけて洗浄するため,破砕ガラスを入れた篭を電動チェーンブロックでつる作業である.洗浄後の屑を落とし込むホッパーが洗浄槽より高い位置にあって揚程が不足するため,電動チェーンブロックの巻過防止装置作動時の緩衝用スプリングを外して作業をしていた.従って,毎回フックが上部に衝突するためチェーンが疲労破壊した.丁度,洗浄槽の上で切断して荷が落下したため,飛散した熱湯を浴びて被災した. | 
  
    | 原因 | (1)揚程が不足する作業状態において,ホッパーの高さを低くするなどの揚程不足を是正せずに,クレーンの巻過防止装置の緩衝スプリングを取り外して作業を行ったこと. (2)チェーンに繰り返し衝突によるショックを与えることにより,疲労破壊が起こることを軽視していたこと
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    | 知識化 | クレーン構造規格で,フックの巻過ぎにより,巻過防止装置が作動してフックが停止した後において,0.05m以上の隙間が残るように調整しなければならないことになっている. | 
  
    | シナリオ | 
        
          | 主シナリオ | 無知、知識不足、思いこみ、緩衝バネの取り外し、使用、運転・使用、機械の運転・操縦、常時,巻過ぎ状態での使用、破損、破壊・損傷、疲労、つりチェーンの破断、身体的被害、死亡、事故死 |  | 
  
    | 死者数 | 1 | 
  
    | 分野 | 材料 | 
  
    | データ作成者 | 河島 邦寿 (元(社)日本クレーン協会) 小林 英男 (東京工業大学)
 
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