失敗事例

事例名称 室内作業場において落下したアルコール容器のストーブの火により引火、火災
代表図
事例発生日付 1992年11月28日
事例発生地 栃木県 今市市
事例発生場所 食品工場
事例概要 1992年11月28日、栃木県の醤油製造の加工火入れ工場内において、仕入れ作業を行うため、蒸留釜の上部までホイストを使用し、アルコール類の入った容器を持ち上げた。4本のフックのうち1本が外れ容器が落下、アルコール類が流出、反射式石油ストーブの火により引火した。
事象 醤油の製造業で、火入れ作業に使うエタノールを入れた容器が落下した。流出したアルコールにストーブの火が引火して火災が起こった。図2参照
プロセス 製造
単位工程 仕込
物質 エタノール(ethanol)、図3
事故の種類 漏洩、火災
経過 1. 醤油製造の加工火入れ工場で、仕入れ作業を行うため、蒸留釜の上部までホイストを使用し、エタノールの入った容器を持ち上げた。
2. 4本のフックのうち1本が外れ、容器が落下し、アルコール類が流出、反射式石油ストーブの火により引火し、火災になった。
原因 4ヶ所ある荷台フックの1ヶ所が外れ荷台が傾き、アルコール類の容器が落下した。
対処 自衛消防隊はあったが機能しなかった。公設消防による消火活動が行われた。
対策 1.危険物施設の新設
2.教育の徹底
知識化 危険物を長期・連続的に非合理的な使用法をしていれば事故になることがある。安全の確保は人間の注意力だけに頼ることなく、設備でも対応しなければならない。
背景 直下でストーブを焚いている環境で、アルコールの開放容器をホイストで吊す。これは危険行為そのものである。長期にわたり放置してきた管理の責任と考える。
データベース登録の
動機
安易に液体可燃物を扱って、火事になった例
シナリオ
主シナリオ 価値観不良、安全意識不良、リスク認識不良、組織運営不良、管理不良、作業環境を考慮せず、計画・設計、計画不良、作業環境設計不良、不良行為、規則違反、安全規則違反、二次災害、損壊、火災、身体的被害、負傷、5名火傷、組織の損失、経済的損失、直接被害だけで四千万円
情報源 平成4年重大災害の概要、安全年鑑、p.222
消防庁、危険物に係る事故事例-平成4年(1993)、p.33、448-450
負傷者数 5
物的被害 工場全焼.タンク類、機械類、照明設備、電気設備など焼損
被害金額 3895万円(危険物に係る事故事例)
マルチメディアファイル 図2.概要図
図3.化学式
分野 化学物質・プラント
データ作成者 吉永 淳 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)