事例名称 |
地震による軽油タンク側板腐食部の亀裂で軽油の漏洩 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1983年05月26日 |
事例概要 |
1983年5月25日、日本海中部地震により、軽油タンク側板下部に亀裂が生じ、軽油がにじみ出た。亀裂部は応力集中部であり、近くの溶接止め部では溝状の腐食があった。 |
事象 |
マグニチュード7.7の日本海中部地震により軽油タンクの側板のドレン配管の近傍に亀裂が生じ、軽油がにじみ出た。図2参照 |
プロセス |
貯蔵(液体) |
物質 |
軽油(gas oil) |
事故の種類 |
漏洩 |
経過 |
1983年5月28日、地震により軽油タンクの側板に亀裂が生じ、軽油がにじみ出た。 |
原因 |
ドレンピットがあったため底板と側板の継手部に過大な荷重がかかっていた。溶接止部に沿って溝状に腐食が発生していた。 |
対策 |
定期的に測定器を使用して肉厚を測定する。コンクリート製ドレンピットを有する類似タンクで応力集中がかかっていないか点検する。 |
知識化 |
自然災害であるが、何か問題点をかかえている設備が発災している可能性が大きい。やはり日常の管理が重要である。 |
背景 |
応力集中を生じさせた設計上の問題と腐食を放置したところに、地震が引金となった。 |
よもやま話 |
“事故は語る”(日経メカニカル編、P132)によれば「ずさんな隅肉溶接は応力集中を招く」として応力集中や疲労破壊が述べられている。溶接止め部の腐食は溶接の技能と関係なかったか? |
データベース登録の 動機 |
地震が引金になった事故例 |
シナリオ |
主シナリオ
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価値観不良、安全意識不良、リスク認識不良、不注意、理解不足、リスク認識不良、計画・設計、計画不良、補修計画に見落とし、不良現象、機械現象、応力集中、破損、破壊・損傷、亀裂、二次災害、損壊、漏洩
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情報源 |
亀井浅道、安全工学、32(1993)、p.451-458
亀井浅道、危険物事故事例セミナー(1995)、p.55-67
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マルチメディアファイル |
図2.側板下端部に発生した亀裂写真
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分野 |
化学物質・プラント
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データ作成者 |
板垣 晴彦 (独立行政法人産業安全研究所 化学安全研究グループ)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
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