Forum 181 報告
畑村会長瑞宝中授章受賞 失敗学会記念式典
2021年8月21日、ホテル椿山荘東京パインルームで、失敗学会による畑村会長瑞宝中授章受賞記念式典が盛大に執り行われました。
盛大といっても、会場には当人の畑村会長、事務局スタッフの私、飯野謙次と佐伯徹、それから予定外に『間違って来ちゃった』
と古川元晴氏の4名。華やかな花を演台に添え、他の参加者は Zoom で会場の様子を見ていただきました。
13:55には、時間に気づいて慌てた飯野が、用意していたとっておきの蝶ネクタイも上着着用も忘れてあたふたと、
しかし厳かに開会宣言を行いました。参加者数の報告は以下の通り:
個人協賛: 50名、口数: 68口
法人協賛: 11団体(参加者61名、会員23名、非会員38名)
協賛金合計: 466,000円
協賛いただいた11団体の立札に囲まれた花
この後、関西大学社会安全学部/社会安全研究科教授 安部誠治先生、東京大学工学系研究科教授 中尾政之先生、ナルックス株式会社代表取締役社長 北川清一郎様、新川電機株式会社常務取締役 松本幸太郎様、大分海運株式会社代表取締役社長 佐藤公一、弁護士 古川元晴による祝辞、畑村会長による答辞がありました。
この日のイベントで参加者のみなさまが楽しみにしていたのは、畑村会長の記念講演です。演台は『失敗学から見たみずほのトラブル』。奇しくも2日前から昨日にかけて、今年5回目のシステムトラブルに見舞われたみずほ銀行グループについて、失敗学的観点からの解説となりました。
瑞宝中授章を胸に、講演の畑村会長
報道を読むと、どうやらDBサーバーのハードのトラブルのようです。それが引き金となった業務システムのトラブルなのですから、壊れることを想定していなかったか、想定していなかった壊れ方をしたのでしょうか。敷地高さを越える津波を『想定していなかった』福島第一原発と同じ背景要因が見え隠れします。停止、厳しい対応を経てシャットダウンをした原発に対して、こちらは稼働し続けることを強いられます。
原因究明と再発防止が重要なのは当然ですが、あす起こるかもしれない不具合を仮定して対策をしなければなりません。担当者の知識や想像を越えて起こりうる不具合です。トラブルのない、あっても即座に修復されるシステムに到達するには、あと何年かかるでしょうか。
【飯野 謙次】
式典参加者(一部) Zoom 画面
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