特定非営利活動法人失敗学会 |
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Forum 193 on the Net ご報告
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中村 隆文 |
飯野 謙次 |
講演者:中村 隆文
演題:『著書「システムの失敗を克服するメタシステムアプローチ」刊行記念講演』 内容: リスク管理=失敗の回避のためのシステムを如何に立ち上げるか、有効なモデルを模索し、方法論を展開。IT技術領域にそれらの導入を試みるなかで、リスク事前対策に重きを置くメタ理論を提示する。 講演者:飯野 謙次 演題:『内向型と外向型-沈考かブレストか』 内容: スタンフォード大学設計グループ、畑村塾等、これまではブレーンストーミングに代表されるグループワークが、相互刺激を励起して創造性を育むと考えてきた。しかし、実例を示しながら、一人静かに考えた方がよいとの証言が出てきた。 さて、私たちはどちらを向けばいいのだろうか。 日本に足りない創造性は、タレント不足が指摘されているが、タレントとは、外向的な人ではないのか。 みなさんと一緒に考えてみたい。 |
2つ目の、筆者飯野の講演に先立ち、ある新規入会会員の要望で、韓国ソウル、梨泰院(イテウォン)の雑踏事故について、
どうすれば防げたかの視点で話し合うことにした。
この事故で巻き込まれてお亡くなりになった方とそのご友人・ご家族には心からお悔やみ申し上げます。 図中赤丸で示したのが死傷者が出た事故の発生場所、南の薄いピンクで示したのが地下鉄 Itaewon 駅と①~④の出口である。その駅の真上は、片側2車線の広い道路で、人は歩道を歩くようになっている。 行きたいところがすぐ近くにあっても、一方通行に逆らうことはできない。この規制を有効なものにするためには、要所要所に警官が立たなければならない。 筆者は25年以上の前の、ソウル市内での体験を思い出した。 ソウル市庁舎近くのホテルに出張で来ていたのだが、土曜だか、日曜の朝、窓から見ると大変な人が出ていて大きな旗を何本も振っていた。大書された文字を読むことはできなかったが、政府に対するデモ行進のようであった。昼近かったので、近くで見ようとホテルを出て沿道から何気なく見ていたところ、周りの人たちが一斉に駆け出した。ぼっと立っているわけにもいかず、筆者も一緒に駆け出し、明洞(ミョンドン)の路地に駆け込んでいったのだが、周りが霧がかかったように白っぽいなと思ったら、急に鼻と喉がつんと痛み、涙が出てきた。人々はと見ると鼻と口を押さえながら走っている。筆者も、すわ、負けじと走った。 霧もようやく晴れたところまで出て、走る人もまばらになり、昼食時だったことを思い出して食堂に入った。食べてみたいと思っていた参鶏湯(サムゲタン)を注文した。それでも涙は止まらない。出てきたスープボウルを、泣きながら箸とスプーンで平らげる外国人は、食堂の人にとってはかなり奇異な存在だったに違いない。そして、あれは集まった人たちが暴徒化する前に、当局が人を散らすために催涙弾を打ったのだと気が付いた。後にも先にもない、貴重な体験だと思っている。 日本と韓国は似ている。韓国の経済規模は日本の半分くらいだが、人口も半分くらいなので、生活レベルは似ている。日本も、過去の事故に学んでここまで来ている。是非とも人流コントロールについて、一緒に学びたいものである。
【飯野謙次】
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1946年5月 | |||||||||||||
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