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Forum 216 対面+zoomハイブリッドのご報告

大阪分科会主催



      福田 晃
    
      大髙 浩

2025年11月8日(土)13:00-17:30
対面+zoomハイブリッド


会場:日宝御堂ビル304号室(18名限定)
       大阪市中央区瓦町3-4-10(Map)

一般: 1,000円
失敗学会員・ゲスト: 500円
大阪分科会員: 無料

会場参加者(5名):飯野謙次,岩崎雅昭,三田薫,田中健一郎,福田晃
zoom参加者(8名):大高浩,岡田敏明,北村兼一,佐伯徹,豊高勝
                    松野昭弘,三国外喜男,八木基紀(50音順)参加者合計13名

記録

11月8日(土)
12:30 開場、受付開始
13:00 講演1【福田 晃】
14:30 休憩
14:45 講演2【大髙 浩】
16:15 休憩
16:30 大阪分科会
    議題:(案)     
  • 年次大会(12/13)の大阪分科会候補者選定のつづき
  • 大阪分科会見学会のつづき
  • 2026年1月予定の計画 
  • 2026年春合宿案のつづき
17:30 終了
18:00 懇親会


フォーラム216会場の様子




講演1
講演者:福田 晃
演題:山岳事故は日常への警鐘 - 登山ブームと高齢化の失敗から学ぶ安全対策
内容: 近年のアウトドアブームや健康志向の高まり、インバウンド観光の増加により、登山者数は急増している。それに伴い山岳遭難も増えており、警察庁のまとめによると2024年の山岳遭難は2,946件、遭難者は3,357人で統計が始まった1961年以降で3番目の多さであった。年齢別では50代以上が約7割、70代が771人と最多であり、高齢者の事故が急増していることがわかる。富士山や南アルプスのある山梨県警の統計では、60代が事故件数の最多層で40代以上が全体の77%を占め、夏期遭難者の54%は60代以上であった。この背景には弾丸登山や単独行、装備不足などの無謀な行動があり、台風並みの風と軽装が重なった富士山の事故や北アルプスの北穂高岳での滑落、都市近郊の低山での転倒、ヒグマ出没を軽視した知床羅臼岳での事故が象徴的である。
 本講演では、こうした事故事例を失敗の視点で分析し、「なぜ起きたのか」「どのようなパターンがあるのか」を明らかにする。そのうえで、装備・計画・情報共有の重要性や、滑落や疲労など年々増加する事故の傾向、訪日外国人遭難の現状について解説する。また、これらの教訓を日常生活に応用し、転倒・転落が多い高齢者の日常事故を防ぐための具体策(生活環境の改善や身体状況の確認、事故時の対処法など)を消費者庁のガイドラインを踏まえて紹介する。
 山での失敗は決して特別なものではなく、日常生活にも潜む危険への警鐘であることを理解し、安全と健康を守るための実践的な策を議論したい。

講演2
講演者:大髙 浩
演題:IT紛争から学ぶユーザ組織マネジメント教訓の見える化
内容: デジタル化に伴うIT開発がとん挫,その損害賠償を求めて当事者で争われ,ITユーザに賠償命令が下される事件が繰り返されている.まず一審の判決が控訴され最終審では逆転判決でITユーザ敗訴となった3件の事件について事実関係を失敗学会でレビューする.その結果を現象面に加え,原因面での事実関係も明らかにすることで,問題の真因を特定することで紛争の再発防止に繋がる教訓を見える化し、この教訓を活かすことによる社会的効果について議論した上,我が国のようにシステム開発をITベンダにアウトソースする他国にも広く適用する方策についても議論したい.

概要

(zoom の AI コンパニオンを元に)
山岳事故増加傾向報告
 福田さんは山岳事故の増加傾向について説明し、令和6年には 年間遭難者数が2,946件に達したと報告した。高齢化が進行し、 50代以上の遭難者が7割を占めていることが指摘され、道迷い、 滑落、転倒、病気・疲労が主要な事故原因として挙げられた。 popularな山岳地帯での事故増加と、都市近郊の低山でも 転倒事故が増加していることが報告された。

山岳事故と安全対策
 福田さんは最近の山岳事故について詳細な説明を行い、 富士山での遭難事例や北アルプスでの滑落事故、低い山 でも発生する転落事故などを紹介した。さらに、自身の 過去の失敗事例として、1993年の大峰山での強行登山と2020年の大峯奥駆道での腰痛による中断した挑戦について語った。
 福田さんは、経験者の過信や適切な準備の欠如が事故の 主な要因であることを強調し、安全な登山の重要性に ついて話した。

山岳事故原因分析と対策
 福田さんは、山岳事故の原因を「無知無視過信」として 分析し、富士山、北アルプス、羅臼岳の4つの事例を例に 挙げて説明した。個人の準備不足、過信、油断が事故の 主要要因であると指摘し、組織や社会の側面についても 情報共有、教育、安全文化の強化が必要だと述べた。
 日常生活での転落事故についても同様の要因が作用して いることを説明し、安全文化の向上には「ヒアリハット」 の共有と継続的な学習が重要だと結論づけた。

高齢者転倒事故防止対策会議
 会議では高齢者転倒事故の防止について議論され、主に 家の環境改善、足元の注意、週末の山登りにおける安全 対策が話し合われた。参加者たちは、家の段差や滑りやすい 場所の改善、手すりの設置、日常的な歩行の重要性について 共有した。山登りについては、正式な登山ルートを使用し、 適切な装備をして、初心者は経験者と一緒に登ることが安全対策と して重要であることが確認された。

講演スケジュールと技術調整会議
 会議では、第1講演を終了し、15分の休憩を挟んで次の講演を 予定していることが確認された。参加者たちは技術的な問題に ついて話し合い、画面共有やカメラの設定について調整を行った。 会議の最後に、次の講演は大髙さん。 佐伯さんが講演資料のダウンロード方法について説明した。

IT紛争とデジタルトランスフォーメーション
 大高さんはIT開発の紛争と失敗の教訓について説明し、デジタル トランスフォーメーションに伴うITプロジェクトのリスクと その結果となる紛争について議論した。IT紛争会の研究活動 について報告し、裁判例の分析からIT紛争を回避するための 教訓を学び、デジタル化を円滑に進めることを目的として いると述べた。会議ではITプロジェクトの見える化ツールの 重要性が強調され、ステークホルダーの確認や品質管理の 俯瞰図の使用方法について説明された。

ITプロジェクト要件定義の重要性
 大高さんは、ITプロジェクトにおける要件定義の重要性に ついて説明し、3つの裁判例を紹介した。最初の例は旭川医大 とNTT東日本の間の契約紛争で、ユーザーが要件を継続的に 変更し、最終的に品質が低下して契約を解除した結果、 ユーザーが10億円の支払いを求められる逆転判決になった。
 第二の例はISP事業者とベンダーとの契約で、要件定義の 不十分さが原因で開発が頓挫し、最終的にユーザーが7億万円 の支払いを求められる判決になった。第三の例は野村証券と IBMの契約で、要件定義から開発フェーズまで計画が延期され、 最終的に契約解約と損害賠償請求に至った。

ITプロジェクト要件定義改善提案
 大高さんは、IT開発プロジェクトにおける要件定義の不備が 原因で発生した数十億円の損失事例について説明し、組織的な プロジェクトマネジメントの改善が必要であることを強調した。 彼は、要件定義の完了判定、ホワイトボックス化、そして経営 リスクの管理を含む日本独自の標準を確立することを提案した。 また、ソフトウェア定義(SD)トレンドにより、従来のハード ウェア中心からソフトウェア中心の世界への移行が進んでいる ことを指摘し、失敗学会の研究対象をソフトウェアIT分野にも 拡大すべきだと述べた。

要件定義とソフトウェア開発
 大高さんは失敗学会とIT紛争研究会の連携について提案し、 IT分野の論文審査委員の不足を指摘した。飯野さんはアジャイル 開発における要件定義の重要性について質問し、大高は要件定義が 適切なタイミングに行われなければ開発に成功できないと説明した。 会話の最後に、大高は日本のソフトウェア業界の遅れが要件定義の 不十分さに起因する可能性について言及し、鈴木博による成功事例を 例に挙げて説明を始めていた。

システム要件定義の重要性
 大高さんは、システムの要件定義を自社で行うことが重要である と説明し、アメリカ企業が行っている手法を参考にすべきだと 述べた。岡田さんは、プロジェクトマネジメントの重要性と、 経営者がITシステムの理解を深める必要性について共有した。 参加者たちは、要件定義の成功例として野村証券の事例を議論し、 事業部門と情シス部門(情報システム部門)の間での双方向のコミュニケーションが重要 であることで合意した。

大阪分科会活動計画について
 12月13日(土)に行われる失敗学会の年次大会には、大阪分科会から福田晃さんを講演者として選んだ。
 2026年1月のフォーラムは17日(土)に開催する。講演者は田中健一郎さんを選んだ。さらに他の講演希望者があれば事務局まで申し出てください。また、3月のフォーラムは、施設見学会を行う予定です。
 5月の春合宿は、青森方面案と福井方面案の二案の内から、福井方面案を選定した。マイクロバス又はレンタカーやタクシーの使用案も検討する。

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