11月21日、米国カリフォルニア州サンフランシスコ空港に失敗学会畑村会長が到着。
同日、スタンフォード大学を訪問した。まず機械工学科石井浩介教授のManufacturing Modeling Lab
を訪問、同研究室の Larry Chao と設計論について意見を交わした。その後、同学科博士課程在籍の畑中元秀氏主催、
シリコンバレーで活躍する日本人プロフェッショナルとのパネルディスカッションにゲストとして参加。医師、教育者、
学生、企業のエンジニア、商社マン、投資アドバイザーなど様々な分野の人々が参加。
まず、畑村教授からの失敗学についての説明が行われた。それに対して、それぞれ失敗についての意見、
質問を交わした。医療ミスを減らすにはどうすればよいのか。よい医者とは、どのような医者なのか。本当に
「失敗は成功のもと」なのだろうか?失敗した後に落ち込んでしまうと成功につながらないというが、どうす
れば落ち込まないのか?失敗を犯さないためには、何らかの罰が必要なのか?成功する方法の指導と失敗学と
の違いはどこにあるのか。企業内での失敗の取り扱い方、日本と米国の違い、そして更には家庭内での失敗学
の活用や子供のための失敗学に至るまで、多種多様の意見が飛び交った。学専門の畑村会長ではあるが、
医療など多分野の知識が豊富で、手術の見学体験談なども話題にあがっていた。
2時間の討論会では満足できない人々が、場所をかえて夜遅くまで語り合った。「こんなに面白い討議ができ
るとは思わなかった。」疲れも全く見せずに畑村会長も熱心な討議を続けた。日本発の新しい考え方『失敗学』が環太平洋に広がり始めている。
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