シンドラー、エレベータ事故
2006年6月3日、東京都港区のマンションで、16歳男子がエレベータから降りようとしたところ、
同エレベータが突然扉を開けたまま上昇、男子はエレベータ床と建物天井に挟まれて絶命した。
この悲惨な事件から3年余り経った先月16日、製造元シンドラー社から2名、
保守管理会社SECから3名の計5人が業務上過失致死罪で起訴された。
この事件からさかのぼることおよそ3年前の2003年8月16日、米国テキサス州ヒューストンの病院で、
日系人医師がエレベータドアに挟まれ、そのまま上昇したエレベータに頭部上半分をせん断される形で即死する事故があった。
当時ヒューストン市内のエレベータは 8,000基を越え、 テキサス州の中でも同市は特にエレベータに関する条例が厳しいにも拘わらず、
2002年だけでも256件のエレベータ・エスカレータ事故が報告されていた。8月16日事故の機種はオーティス社製、保守はコーン社が行っていた。
米国では年間、エレベータ・エスカレータによる死者が30名あり、重傷者が2万人近く(2003年当時)発生する。
ヒューストン市とその回りを含むヒューストン郡では、2003年8月までに、オーティス社を相手に起こされた訴訟が1978年より200近く記録されており、
シンドラー社に対しては、1983年よりおよそ100件あった。
失敗学会ではこの8月、畑村会長、飯野副会長、会員の土屋健介氏がヒューストンを訪れ、視察・訪問を行う。
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