![]() |
特定非営利活動法人失敗学会 |
広告掲載について | 広告掲載について | 広告掲載について | 広告掲載について |
|
アメリカ機械学会大会報告![]()
アメリカ機械学会(ASME)の大会が、
8月15日より18日まで執り行われた。世界には機械工学に関する国際会議が数多く行われるが、
この“設計工学技術・工学におけるコンピュータ国際会議 [International Design Engineering Technical Conferences and Computers in Engineering Conference (IDETC/CIE)]
が例年、最も多くの参加者を集める。今回はASME の各分科会が以下会議を行った。
![]() 住民の大半がフランス語を話し、アメリカというよりもヨーロッパの色が濃い。 街にもオープンスタイルのレストランやカフェが多い。 会合が開催された Fairmont Queen Elizabeth Hotel は1泊2万5000円もするので、 筆者は例によって歩ける距離の安宿、La Tour Centre Ville を見つけて通った。 安いもののリビングとベッドルームが別になっており、キッチンまであってすこぶる快適であった。 会合でバッタリ会った故石井浩介スタンフォード大教授の弟子、 Sun Kim君(現慶應特別研究助教)も同じホテルに泊まっていたのは愉快だった。 ![]() また、今回初めてお会いした芝浦工業大学の大倉典子教授の発表を聴き、 感性工学について学んだ。大倉教授には、失敗学フォーラムでお話をいただけるようお願いしたので、会員の皆様は楽しみにされますよう。 その他、スタンフォードの学生時代を共にすごした台湾で活躍中の黄金沺(Chintien Huang)教授、 徐業良(Yehliang Hsu)教授、韓国のYongse Kim教授とも顔を合わせ、 本会合が年に一度の機械工学者国際大会、特に設計工学に関する集まりであることがはっきりしてきた。 どこぞのお達者クラブにならぬよう、気をつけねばなるまい。 来年は、8月29、30、31日の3日間、 ワシントンDCでの開催が決まっている。 失敗学に関する論文を集めてみんなで東海岸旅行と夢は膨らむ。 さて今回の筆者発表は、東京大学教授中尾政之副会長と共著の“Service Information for Product Quality”。 ビデオライブラリにアップしたので、発表を視聴してもよいだろう。 プログラム発表で18日朝が割り当てられ、同日朝6時のフライトでモントリオール空港を出発予定だったため、 急遽ビデオでの発表となった。後日、部門長の Shun Takai 教授にいい発表だったとの御連絡をいただいた。 工学者はお世辞を言わないと信じて鵜呑みにしている。 本発表で問題提起していることは、以下の文言にまとめてみた。今後、失敗学を産業界に役立てるため、 私達が進む方向の1つだと思う。 一般に修理や保守を行う組織は、設計・製造を行った組織と別である。 このため、保守業者が利益を最大にしようとすると、設計・製造業者と無関係に自分で保守作業を済ませることを考える。 御巣鷹山事故や、 パロマ湯沸し器の一酸化炭素中毒も、保守がよく設計・製造業者に連絡を取らなかったために発生した大事故といえよう。 設計者があらかじめ提示した保守手順のどこにもない作業や、想定されなかった故障については、 保守業者は設計・製造業者に確認を取る仕組みが望ましい。それも法規で縛るのではなく、 保守情報公開データベースの運用を目指していく。
(飯野謙次)
![]() |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Copyright©2002-2025 Association for the Study of Failure |