
	 2011年1月21日(金曜)午後に、旭硝子株式会社の「AGCモノづくり研修センター」を見学した。
	今回の見学場所は横浜市鶴見区のJR鶴見線「弁天橋」駅前の施設で、ここは一般公開していない施設だが、
	失敗学会法人会員の旭硝子㈱のご好意と、同社の南川忠男様のご紹介で、特別に見学できることになったものである。
	 今回は平日であり、また見学日程が急に決まったことから、参加者が集まるか心配だったが、約20名の参加者があり、
	関心の高さが感じられて、主催者としても嬉しいことであった。
	 この建物は建築関係の賞を幾つも受賞した素晴らしい建物である。
	実際、木村拓也など有名人が撮影に使ったとのことである。写真左下は研修棟で、
	ガラス会社ならではの前面ガラス張りの4階建てのビルである。我々は「失敗体験研修」の旗の下、建物の中へ進む。
	
 
	
	
	 最初に、AGCモノづくり研修センター・篠崎晴雄様より、本センターの趣旨や概要をビデオなどで紹介頂き、
	その後、2時間にわたり、色んな設備を体験させて頂いた。
	
	 
	
	
		- ブラウン管製造の歴史展示室
 一昔前は、TVやパソコンの画面は全てブラウン管(CRT)であった。これらの開発の歴史を、現物とパネルで展示していた。
 
 
- VRによる研修
  いわゆるCGにより、工場での労働災害の危険を予知する訓練を行なうもので、同社での実際の事故例を基にCGは作られているとのことであり、新入社員教育などでは身近な問題と感じられることであろう。
		CG作成には、かなりの費用が掛かるとのことで、以前見学した早稲田大学・永田研究室の疑似体験システムが有効ではないかと思った。 いわゆるCGにより、工場での労働災害の危険を予知する訓練を行なうもので、同社での実際の事故例を基にCGは作られているとのことであり、新入社員教育などでは身近な問題と感じられることであろう。
		CG作成には、かなりの費用が掛かるとのことで、以前見学した早稲田大学・永田研究室の疑似体験システムが有効ではないかと思った。
 
 
- モノづくり研修
  自社工場の設備を設置し、電気系では制御系、
		機械系ではコンベアなど(右写真:同社パンフレットより転載)を実際に扱ってみるという研修を実施しているとのことであった。 自社工場の設備を設置し、電気系では制御系、
		機械系ではコンベアなど(右写真:同社パンフレットより転載)を実際に扱ってみるという研修を実施しているとのことであった。
 
 
 
 
 
- 五感体感施設
  次に、実習棟に移動し、人間の五感、つまり、温度差の認識訓練や、機械の異音発見訓練、
		皮膚感触の差などを学ぶ設備を見学した(右写真:同社パンフレットより転載)。
		筆者は、聴診器のようなものでモーターの異音を発見する体験をした(正解だったか聞き損ねた)。
		 また、感電の体感装置もあり、24Vで電気ショックを体感できるとのことであったが、
		体験希望者が居なかった。 次に、実習棟に移動し、人間の五感、つまり、温度差の認識訓練や、機械の異音発見訓練、
		皮膚感触の差などを学ぶ設備を見学した(右写真:同社パンフレットより転載)。
		筆者は、聴診器のようなものでモーターの異音を発見する体験をした(正解だったか聞き損ねた)。
		 また、感電の体感装置もあり、24Vで電気ショックを体感できるとのことであったが、
		体験希望者が居なかった。
 
 
- 危険体感施設
  ここは、電気関係やバルブ(弁)の危険を学ぶ施設である。
		今回は、クレーンの玉掛け事故を体験する設備を見学した。
		「重さ1トンのドラム缶に手を挟まれたらどうなるか、勇気ある人は居ませんか?」とのことで、
		5名ほどが手袋を渡され、「挟まれたら痛そう」と驚いたが、実際には、
		手袋をはめて竹竿を身代わりにするのであった。
		竹はバリバリという音と共に見事にぺしゃんこになり、
		「指でなくて良かった」と体感できる訳である。これは面白い。
		いや、感心してはいけなかった(笑)。このことを忘れない為に、身代わり竹をお土産に頂戴した(上写真)。 ここは、電気関係やバルブ(弁)の危険を学ぶ施設である。
		今回は、クレーンの玉掛け事故を体験する設備を見学した。
		「重さ1トンのドラム缶に手を挟まれたらどうなるか、勇気ある人は居ませんか?」とのことで、
		5名ほどが手袋を渡され、「挟まれたら痛そう」と驚いたが、実際には、
		手袋をはめて竹竿を身代わりにするのであった。
		竹はバリバリという音と共に見事にぺしゃんこになり、
		「指でなくて良かった」と体感できる訳である。これは面白い。
		いや、感心してはいけなかった(笑)。このことを忘れない為に、身代わり竹をお土産に頂戴した(上写真)。
 
 
- 回転物危険体験
  次に、工場の11号棟に移動し、回転機械への巻き込みを体験する。
		回転機械にはどういう安全装置やスイッチが有効かを数名が体験で学んだ。
		また、ゆっくりした回転物は人間が「安全」と誤解してしまうが、
		どれ位の力で引き込まれるのか、1名が体験した。 次に、工場の11号棟に移動し、回転機械への巻き込みを体験する。
		回転機械にはどういう安全装置やスイッチが有効かを数名が体験で学んだ。
		また、ゆっくりした回転物は人間が「安全」と誤解してしまうが、
		どれ位の力で引き込まれるのか、1名が体験した。
 次に、モータープーリーによるベルトに巻き込まれる体験も1名が体験した。
		勿論、人間の手では怪我をするので、手の代わりに長い棒に手袋をつけて、
		ベルトに、あっという間に巻き込まれるのを一同見学した。
		また、指の代わりに、割り箸がモーターのチェーンに巻き込まれるという実験を拝見した。
		上がその結果である。
 
 
- ガラスの危険
 最後にガラス会社ならではの危険体験で、ガラスの破片の破壊力の恐ろしさを体感した。
		ここも勿論、人間の手では怪我をするので、代わりにソーセージであったが、
		これがグチャッとなる様子が観察できた。
 また、ケプラー繊維という防弾チョッキ材料でできた高価な手袋にナイフを当てて見て、
		「歯がたたない」ではなくて「刃がたたない」ことを体感した。
 
 
- 討議
  会議室に戻り、筆者より「失敗体験ネットワーク」の活動を紹介し、
		「失敗の現物展示を検討下さい」と申し上げたが、
		「既に検討中で、本年度中には失敗の現物を展示する予定」とのことで、
		さすが安全に取り組んでおられる会社ならでは、と感じたことであった。
		右写真は同センターの壁のポスターである。 会議室に戻り、筆者より「失敗体験ネットワーク」の活動を紹介し、
		「失敗の現物展示を検討下さい」と申し上げたが、
		「既に検討中で、本年度中には失敗の現物を展示する予定」とのことで、
		さすが安全に取り組んでおられる会社ならでは、と感じたことであった。
		右写真は同センターの壁のポスターである。
 
 
 
	     下2枚は、討議風景。
	
		
		 
	
	
		
	 最後に、失敗体験ネットワーク代表の中田邦臣さんより、お礼の言葉と、
	今回参加の皆様に失敗体験ネットワークへの入会要請があり、続いて、
	今回の見学を斡旋頂いた同社の南川忠男様、および、見学案内して頂いた篠崎晴雄様のご挨拶があった。
	
	 旭硝子株式会社の「AGFモノづくり研修センター」前での記念撮影。
	
		 
	
	
	 以上で本日の見学会は終了し、お2人にお礼を申し上げつつ、帰路に付いた。
	本日の参加者;
(失敗体験ネットワーク)中田邦臣、加藤豊、平真寿美、庄司深也、酒井雄二、宇於崎裕美、水野義一、井戸幸一、吉岡律夫
(失敗学会会員)黒澤愼輔、大石直樹、間宮崇幸、中筋善淳、八木義雄、小林直衛、西弘昭、坪内正克、小川久信、柄澤由子