4月5日付けのニューヨークタイムズ、ネットバージョンで、
米国原子力規制委員会の
3月26日版報告書をニューヨークタイムズが入手したことが報じられた。
ニューヨークタイムズがどうやってこの機密文書を手に入れたかは、もちろん書いてないが、
同記事では常に改訂され続けているこの報告書を良く知っている専門家は、
3月26日版が現在の理解とほぼ一致しているとしている。
この記事では、その報告書に書かれていることを元に、まだまだ続く福島第一原発の難しい問題を伝えている。
中でも特に、原子炉格納容器に水をどんどん溜めると、地震で痛んでいる上にそのような設計をしていない格納容器とその支持構造が、
大きな余震があったときに持たないのではないかと警告している。
通常運転時のMarkI格納容器と主な構成要素
福島第一原発1号機を担当したGEの元社員、David A. Lochbaum 氏はこう言ったと引用されている
“そろそろ終息かと思っていたけど、この報告書によると様相はもっと悪いということです。
それに書いてあることがうまく行かなかったら、損害は広がるだろうね。”
この記事、それに問題の 米国原子力規制委員会報告書(現時点では、
ここからダウンロードできる)を読むと、失敗学会で発表を続けている
吉岡メモと共通点は多い。例えば、再臨界は起こりそうもないこと、
燃料棒が崩壊していること、
その燃料よりも燃料貯蔵プールにあった燃料体の方がより危険であることなどである。
4月9日のフォーラムでは、
スポンサーとなっていただいた
ナルックス社の好意で大きな会場を押さえることができた。それでも超満員になってしまった。
4月9日午後の3時間、日本橋綿商会館は熱気に包まれることになる。
【飯野謙次】
米国原子力規制委員会について
米国原子力規制委員会[Nuclear Regulatory Commission (NRC)]は、1974年10月11日に制定された
エネルギー再編成法により、
解散した原子力委員会の規則制定・監督機能を引き継いで翌1975年1月19日に設立された独立機関である。
従業員およそ 3,500人を抱え、核燃料に関する規則制定および核燃料の使用、保有、廃棄に関する許認可、
施設の視察を行なっている。