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フォーラム87 in 日本橋

吉岡律夫 緊急講演: 今、福島で何が起きている?何故起きたのか?これからどうなる?

公式スポンサー: ナルックス株式会社

日 時:2011年4月9日土曜日
場 所:綿商会館 6階ホール
         中央区日本橋富沢町8-10 TEL.03-3662-2251
資料代:失敗学会員 500円、一般 1,000円
参加者:180名
会員 115名: 飯野謙次, 福本喜枝, 三谷洋, 吉岡律夫, 河東康一,
斉藤貞幸, 石沢康久, 炭竈建夫, 大橋光三, 武谷真志, 小田明, 宮崎敬,
小澤佳彦, 村田篤紀, 中嶋明宏, 西田直, 大木剛, 宇於崎裕美, 奥村丈夫,
齋藤稔, 徳山典昭, 八木義雄, 庄司深也, 生田清敏, 宗像敏子, 秋山真理,
平真寿美, 高杉和徳, 石橋明, 滝山浩, 丸山和典, 茶木康友, 柳澤信一郎,
佐々正光, 米山公武, 永濱健, 田中茂利, 川路明人, 風田川禎男,
谷田貝茂雄, 高橋祐一郎, 西岡慎一, 佐藤博之, 平和昭, 上原龍,
酒井雄二, 田中和明, 平松雅伸, 平出恒一, 堺田聡, 浅井香葉, 加藤豊,
石川廣行, 鈴木康夫, 本村和也, 北野寿之, 江田隆正, 松村真人,
大石直樹, 加藤昌義, 高藤聡, 寺島誠人, 滝沢真一, 菊本龍生, 高崎充弘,
中村弘, 石山秀雄, 郷茂夫, 勝井徳, 大石秀夫, 二平雄二, 中尾政之,
川島康夫, 阿部周一, 飯田良介, 佐伯尚, 尾崎忠義, 今井健之,
小山富士雄, 東和寛, 石黒晴久, 大橋龍美, 大地由記, 金川昌義,
諸角強英, 飯田正男, 中田邦臣, 江川純平, 森田守, 大澤勲, 松尾時雄,
廣田純子, 中原信貴, 吉田忠義, 瀬戸晶成, 有富晃彦, 山田昇, 木村孝枝,
井上善雄, 川村亮, 馬渕勇輔, 三田薫, 黒木優一郎, 中山安弘, 古川元晴,
今飯田哲, 堀越まゆこ, 折原俊哉, 山川朋子, 野村晃, 石川正宏,
角口開道, 山本裕之, 今井淳也, 竹内正彦
一般 65名: 高尾真記, 山村和人, 鍬田拓郎, 大城秀樹, 藤原敏行,
吉本晶彦, 福田章史, 西澤知宏, 滝山陽子, 寺島眞人, 野口恭平, 橋本隆,
荒河一渡, 金田光範, 上田肇, 福島むつお, 瀬戸清美, 釣賀有紀恵,
谷内敏之, 山本優華, 笹子善平, 村本浩司, 高野幸路, 中本正人,
遠藤康弘, 大井健成, 佐藤勝雄, 宮下夏樹, 田中正和, 渋谷八郎,
丸山一男, 渡辺尚彦, 岡田小枝子, 相馬成光, 横山滋, 池田義雄,
東泉一郎, 山ノ内茂徳, 嶋田耿子, 堀越康男, 増田義彦, 上野祥樹,
山英男, 山様同行者, 志田わたる, 岸本陽次郎, 寿桜子, 鈴木祥子,
中川隆政, 島津雅充, 北村健一, 永野利典, 上條隆史, 秋吉亮佑,
秋吉絢子, 佐々木康利, 宅間裕人, 永嶋祐一, 北川貞次, 木下幹康,
寿様同行者, 大島遊亀慶, 佐藤公紀, 高橋まさとし, 古川様同行者,

【会次第】
13:00 開場、受付開始
13:55 開会
14:00 吉岡さん講演第1部
14:50 休憩
15:00 吉岡さん講演第2部
15:50 質疑応答
16:50 終了

17:30 懇親会(香港美食園 3,500円、42名)


 失敗学フォーラムの新記録となった。記録を調べると、これまでの参加者数最高記録は “懇談会”と命名されていた2004年4月、眞崎達二郎さんに“キャッシュフローの視点からみた失敗の研究”と題して、 御出講を願った第19回 ()であった。 このときの参加者数は会員64名、一般8名の72名。この3倍近く、会員115名、一般64を集めた合計180名が日本橋に集結した。
 今回のフォーラムに参加したことは大きな記念となる。参加者全員の氏名を並べてみたら、 記事のヘッダー部分がえらく重くなったが、一般から御参加いただいた方も含め、 ここに名前を並べていることをきっと誰かに自慢できる時が来る。だから、そのままにした。

 3月11日、マグニチュード9.0の巨大地震が東日本太平洋沖で発生、 直接被害とその後の津波被害は私たちの想像をはるかに超えるものだった。 それまで私たちは、地球環境では普通には起きない現象を利用することによって、 “物”に満ち溢れた生活を謳歌していた。
 この日の地震と津波は、そんな呑気な私たちに鉄槌を下すかのように、 福島第一原子力発電所を廃墟と化さんと、一瞬にしてその命綱を断ち切って静かに去っていった。

 その日から1ヶ月以上経つのに、いまだ余震活動が治まらない。そして生命線を一時断たれた原発は、 数日後に次々と起こった爆発による惨めな姿をさらしたまま、 人々をその周りから追い散らし、遠く離れた人まで恐怖に落としめながら、 その巨大な図体を安らかに眠らせる術までを私たちに要求している。

 地震が発生すると、“原発は大丈夫か”と思いを馳せる人は多い。 その日も私はまず女川はどうなんだとニュースに見入っていた。 そしてやがて聞こえてきたのが、福島は無事緊急停止したとの一報。 一安心はしたものの、後で考えてみると関係者たちが、外部電源と非常電源を全喪失していたことを知らぬはずはなかった。

 そして翌12日には、失敗学会分科会、失敗体験ネットワークのメーリングリストをメールが行き交い始めた。 それは主に、次々に沸き起こる分科会メンバーの疑問に、東芝で30年間原発関係の仕事に携わり、 福島第一原発3号機の設計も手がけた吉岡律夫さんが理路整然と答えていったものだった。 起こった爆発は何だったのか、炉心溶融はなぜ起こらないか、どこに注目しなければならないか等、 私たちは次々に理解を深めていった。聞いた数字を確認もしないで繰り返すマスコミと、 視野狭窄専門家による思いつきの説明を叱咤する吉岡さんの説明に、 危ない状況を理解しながらも、何がどう危ないのか、知ることで分科会員は大きな安心を得ていた。

 そして吉岡さんからの提案もあり、この安心を、テレビに翻弄され続ける一般にも提供しようと “吉岡メモ”の連載が始まった。 いつもなら、会員リンクと一般公開エリアを分けるのだが、 今回は日本中の不安指数が最上位まで上りつめている。 6、70年ごとの大変革。それがそこまで来ていると講演で言い続けてきたが、 明治維新、第二次大戦、とその次は巨大震災だとは夢にも思っていなかった。 私たちにできることは精一杯やろうと、連日のメールのやり取りにも全くの疲れを感じない。

 連載を始めてみると、それまで日平均700人が訪れていた失敗学会ホームページに、 1日 3,000を越す閲覧者が来るようになった。 “吉岡メモ”は巷のブログやら、 ツィッターで頻繁に取り上げられるようになった。こうして実現した今回の講演会である。

(つづく)
【飯野謙次】

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